オンライン医学部予備校

2023年度入試で医学部(東大京大)への合格を目指す全ての受験生をサポートします。

共通テスト・個人的感想

受験生の皆さん共通テストおつかれさまでした。

今回はコロナ禍および初年度ということもあり、大きな不安の中での受験になったのではないでしょうか。

まず、諸々において大変な状況の中頑張り抜いた全ての受験生に敬意を表します。

 

さて、試験の内容や難易度についてですが、感じ方は様々であったようです。

どの科目も難しいと感じた方が多かったようですが,受験生側の個々の感触(手応え)と予備校の講評や予想平均点にズレがあるという話もちらほらあり、実際のところどうなのか気がかりな方が多いのではないかと思います。

そこで、私が理系科目のみではありますが実際に問題を解き、難易度等の分析を行いました

本日昼ごろに平均点の中間集計が公式に発表されますが、平均点という数値上では計りづらい「上位層(国立医学部合格レベル)の出来」についてもアプローチしておりますので、是非参考にしてみて下さい。

 

【数学ⅠA】〈予備校予想平均点:58/100〉

100m走のタイムやくじ引きの確率など日常生活に即したテーマからの出題、また複数の生徒(太郎さん花子さん)の対話形式のリード文など、過去2回実施された試行テストの形式に即した出題となっています。

ただし・・・難易度については大幅に緩和されています(2回の試行テストの平均点は26点・35ほど)。

太郎さんと花子さんの対話についても、試行テストではそこから問題についての情報を読み取る必要があり、情報処理力や読解力も要求されたのですが、今回の試験では「解答方針そのもの」を話しているため、随分と受験生に配慮した出題だなと思いました。

解きにくい問題は第4問整数のラストくらいで、高得点も十分に狙えるセットです。

上位層についてですが、第4問整数ラストが若干しんどいため、満点はそれほどいないと思いますが、90~95点くらいの得点している受験生は生徒の話を聞く限りたくさんいるようです。

 

【数学ⅡB】〈予備校予想平均点:60/100〉

過去2回実施された試行テスト(2回目が分量内容ともにヘビーで平均点35点程)から、かなりの高難度の出題が予想されたのですが、実際はかなり易しめの出題となりました。

各大問とも選択形式の問題が増えたのですが、解きにくいということは全くなく、むしろ解答への大きなヒントになっています。

大問1・2(各30点満点)がかなり解きやすくなっており、難しいところといえば選択問題のベクトルのラスト(本当に1番最後の問題)くらいしかなかったため、事実上「簡単な年度のセンター試験」状態になっています。

上位層の出来についてですが、満点もしくはそれに近い点数も多いと思われます。

生徒への聞き取り調査では満点の生徒もいました。

 

【物理】〈予備校予想平均点:58/100〉

過去2回実施された試行テストは極めて難解なセット(2回目は平均点37.5点)で、事前予想ではかなりの難化が予想されていましたが、実際はかなり角が取れたマイルドなものとなりました。

しかし、全般にわたる「問題自体がぼんやりとしていて解きづらい」というテイストは相変わらずです。

試行テストでは様々な日常生活で体験したり目にする現象について、高校物理の範囲内で考察し解明していくというテーマのもと、指定する物理記号も最小限に抑えた上で自力での状況把握や数式化を要求する構成となっていました。

(2次対策がある程度進んでいても)非典型的な状況設定が多く数式化というよりも問題の全体像を明確にする(状況を把握する)ことが中々難しいと思います。

今回の共通テストが内容的に易しくなったとはいえ、上記のような解きづらさは依然残っておりある程度得点出来た受験生も「あまり自信がないけどこれかな・・・」みたいな感じで解いていかざるをえなかったのではないかと思います

したがって平均点は58点と(事前予想より)高めではありますが90点以上の高得点者は殆どいないのではないかと思います

すなわち、結果的に受験者間であまり差が付いていないのではないかということです。

 

【化学】〈予備校予想平均点:51/100〉

過去2回実施された試行テスト2次試験で出題されるような内容を選択形式にしたようなテイストで、今回の共通テストも(若干センター試験のような知識問題が復活しているものの)概ね同じような感じです(2回目の試行テストの平均点は50)。

良くも悪くも2次力がそのまま得点に直結したのではないかと思います。

問題によってはかなり高度な考察も要求されており、90点以上の高得点者は少ないものの、物理よりは標準偏差が大きく満点もちらほらいると予想します(明快な出題で物理のような“解きづらさ”は全く無いため)。

 

分析は以上です。

最後に一つ強調しておきたいことがあります。

共通テストの平均点予想は前年のセンター試験(最終年度)とほぼ変わらず、そこから「結局は全く難化していない・ボーダーはむしろ上がる)」と結論付けてしまう人もいるかもしれませんが、それは若干早計な判断かもしれません。

中間層にとってはそうであったとしても、高得点層にも当てはまるとは限らず、上記のように理科(物理化学)が高得点を取りにくいこと(それと話に聞く限りでは英語も)の影響により医学部のボーダーは前年(例年より低め)と同じくらい、場合によっては下がると個人的に予想しています。

ただし生物が極めて易しかった(私が聞く範囲でも満点付近がかなりいます)こと、それにより理科の得点調整実施の可能性が現時点で高いということから最終的にどうなるかまでは分かりません。

ということで、現時点で志望校や志望学部を変更したりという判断を下さず、まずは動向を注視してください。

上位層もそこまで高得点は取れていない(数学はともかく理科は中々取りづらい)ということを今回はお伝えしたかったのですが、参考にして頂ければ幸いです。

 

共通テストや出願校関連の情報についてはまた近日中に記事にします。