オンライン医学部予備校

2023年度入試で医学部(東大京大)への合格を目指す全ての受験生をサポートします。

ニッポン学歴社会16──「ソクラテさない」の弁明

さて、「高学歴バカ」を猛烈に批判するQ氏自身が、実は高学歴(?)バカの出身だった…という、衝撃的な告白(?)をさせていただいた。

 

今まで、見てきたように高学歴バカの特徴を挙げたりしてきたが、実際にそこそこ見てきたのである。

 

前回も述べたとおり、高学歴バカは、どこかで他人を「自分に奉仕する人」と見下しているから、お店の人の不手際などが許せない。お前はそれが仕事だろ、なぜ仕事でヘマをして平気なんだ! …などと内心、舌打ちをしている。この反応、典型的なモラハラ男」の感性だし、よく「高学歴バカ」っぽい中高年のオッサンが、お店の人相手にやってるでしょう。

 

Q氏も以前、大手書店で、小さなミスをあげつらって店員さんを理詰めで追い込んでいる「自称お医者さん」を見たことがある。怒鳴られ、理詰めで追及される(ただ怒鳴られるだけの方が、まだ耐えやすい)店員さんがあまりにも気の毒なので、見かねたQ氏は裸腕を組み、首を「で?」という角度で傾けながら、そのお医者さんのすぐ背後に立ち、「何言ってんだこの人。店の迷惑じゃんか。いい加減にしろよ」などと、聞こえるように、わざとヤンキーっぽくつぶやいてみた。

そうしたら偉そうな自称お医者さん、とたんに何となくきょろきょろし始め、そのうち捨てぜりふを残して店を出ていったのである。

高学歴バカは基本的に気が小さいので、武力をちらつかせて脅すと引っ込む。荒っぽいけど、高学歴バカとのトラブルを回避するための、これ教訓ね。ちらつかせるだけで、実際に行使しなくていいですよ。

がんこ一筋ラーメン屋の大将みたいに、腕を組んで睨むだけでよい。男性は腕を太く見せるために、普段から筋トレをしとくといいかも。女性の場合は腕組みをしただけではまだナメられるから、髪にメッシュを入れたり、パーマをかけたり、ケバめのメイクをしたりするといい「かもです」。

 

…ともあれQ氏の場合、店員さんのミスなどに遭遇しても、あくまでも「自分は他人に対して露骨に不機嫌を示すほどバカではない」というプライドを持っているから、イライラしながらも我慢していた。だが、当てこすりの意味で腕時計を眺めたり、つま先で床を小刻みに叩いたりはしていた。今からするとバカだね~って感じだけれど、そういう嫌味なことを平気でやっていたのである。そういうことをする「権利」があると思い込んでいるのである。なんせ客だし、普通の客とは少し違うんだから。

 

店員さんが新人さんで、まだぜんぜん仕事に慣れていないのかもしれないとか、店員さんは何か悩みがあって、心ここにない状態でミスしてしまったのではないかとか、店員さんは生来そういうトンチンカンな人で、なかなか言っても直らないから、お店でも苦労しながら雇い続けているのかもしれず、まあ、そういうことをとやかく突っ込んでもしょうがない…とか、相手の立場に立って事情を想像する、熟した思考がまったく働かないのである。

人生経験の絶対的な不足という、年齢的な問題はあったと思うが、けっきょくは「単なる世間知らず」だったのだ、と今のQ氏なら断言できる。

もうちょっと、いろんな世間を見、いろんな経験をするといいのだ。

 

また、当時のQ氏には妙な、行きすぎた正義感があり、自分を正義だと信じて疑っていなかった。街角で喫煙している高校生や、公の場で騒いでいる小学生を本気で怒鳴りつけファミリーレストランで(おそらく家庭そっちのけで)ママ友とえんえん「お茶」している主婦を「家事や育児をサボっている」と睨みつけ、電車の中で本を読んでいない人を「空き時間を効率的に使わない怠け者」とさげすみ、人とすれ違う際に譲り合わない人を「機転の利かない、のろま」と決めつけて猛烈な怒りを発し、時として「あなたね…」などと呼び止めて説教したりしていたのである。告白の時間。ほんとにやっていた。

 

ひどいでしょう。これって完全な「高学歴バカ」ですよね。モラハラ男とも言う。改めて自己紹介すると、Q氏は「ショッカー」の改造手術を受け、一度は悪魔の組織に魂を売った身なのである。

だから、高学歴バカの生態ならば、悪いけど隅々まで知っているのだ。自分もショッカーだったから。ショッカー本部の場所や、幹部の名簿、作戦の概要など、みな知っている。今なら、ショッカー基地を破壊し、世界征服の野望を挫くため、仮面ライダーに協力できるのかもしれない。

 

賢者ソクラテスにあやかれば、Q氏はソクラテスの足許にも及ばぬ「ソクラテさないだが、そんなQ氏にもできることはあるのではないか…などと、これまた大げさに考えている。そこまでの力はQ氏にはないにもかかわらず、そんな誇大なことを考えてしまうのは、かつての「高学歴バカ」時代のプライドの名残かもしれないが。

 

まあ、橋本左内ならぬ「ソクラテさない」の正体はネコだから…昼寝し、カリカリ(固形キャットフード)を食べて毛づくろいをするしか能がないのだが、まだ、しばらくこの話題を続けるかもしれない。

医学部受験生諸君が、ちょっとした話のネタにしてくだされば本望である。