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勉強法武者修行24──7回読み勉強法(24):7回目ついに終了‼

7回読み勉強法レポートの7回目。前回、奇跡のような「われ発見せり!」が続いた…と書いた。

 

しかし、それはまだ第1部のみ。最後まで読んでも、なお目ウロコが続くかどうか、ついつい疑い深くなってしまうのも人情である。

昔から「青年は信じてはいけない相手を信じ、老人は疑ってはいけない相手を疑う」と言われるが、わたくしQ氏はもう後者の方に入りかかっているので、第1部での「1・2・3・4、やったぜ加トちゃん!」(←歳がバレるネタ…)的な喜びが果たしてその後も続くのか、ひと晩経つともう危ぶんでしまっている。

 

さて翌日、用事を済ませてからまた7回目の読みを続ける。第2部「大気と海洋」を、コーヒーを飲みながらイッキ読みした。

7回目は引き続き要約しながら読むつもりでいたが、実際に読んでいると、本文がその場で頭の中で要約されていくような感覚があるため、あえて口頭で要約するのはやめた。

 

さて、そうやって読んでみて、やはり改めて、地学基礎全体を通して最も難しいのは大気の循環に関する部分ではないかと確信した。ここに、7回目でもまだ分からないところがいくつか存在している。

ほとんどは図の意味が分からないままになっている箇所である。分からないから強引な丸暗記になりかけているが、分からないくらいだから筋道立てて説明もできず、筋道が分からないから覚えられない。7回目という最後のチャンスに、これら分からない箇所が分かるようになるのだろうか。

 

いつまでも覚えられなかった十種雲形は、規則性はあるものの、完全に覚えた自信が最後までなかなか持てない。が、7回目でだいたい映像として頭に浮かぶようになった。それに、覚えておく雲の形と名称は、

温暖前線寒冷前線に伴って発達し、雨を降らせる乱層雲積乱雲

西高東低の冬の気圧配置の時、太平洋や日本海に表れる「筋状の雲」を構成する積雲

だけでいいのではないかと思われる。

このように「よく出るところはここだから、ここだけ覚えれば何とかなる」という見極めができるのは、ある程度学習をやり込んだ証拠ではないかと思う。そういうことにしておこう。

 

さらに、分からない図の代表である地球のエネルギー収支。大気圏外から届く太陽放射を100とすると、地表からの放射が116になるなど、数字の辻褄が合わないように思われる。

が、よく見ると、大気や雲に吸収されたエネルギーが、温室効果によって地表を温めている。だから太陽放射を100としても、そこに、大気によって既に吸収されたエネルギーが地表に戻る温室効果が加わって、地表に届くエネルギーが100を優に超えるのである。細かく流れを追っていけば、最終的に太陽放射と地球放射のエネルギーは釣り合っている。

要するに、図の細部まで読み込む余裕が、7回目くらいになってようやく、そして急にできてくるということ。今まで何度読んでも意味が分からなかった図の意味が初めて分かるという体験は、7回目に集中している。

 

そして最後まで分からなかったのが、偏西風が生まれる原因。偏西風は地衡風のひとつなので、地衡風の成因が分かれば偏西風が分かるのだが、転向力コリオリ力が分からないので、いまだに分からない。

これは、7回目を読んでも分からないということが分かったので、ここだけノートに必死に図を描いて考えてみた。物理を選択していればやるのだろうが、コリオリ力はかなりイメージしにくいので、物理で扱う場合でも、どのみち図を描いて考えないと理解はできないと思う。

さらにウェブサイトも参照し、北半球で転向力が常に物体の進行方向に対して右向きに働くことと、その転向力気圧傾度力の釣り合いによって地衡風が一定方向に吹くことが、ようやく「ほぼ」理解できた。

 

あとひとつ、偏西風が吹く中緯度での大気による熱輸送の図もよく分からなかったのだが、熱輸送と大気の循環をごっちゃにしており、Q氏がただ誤解していただけだということが分かった。大気の循環という点では偏西風地帯だが、その偏西風に乗った温帯低気圧と移動性高気圧が、この緯度での熱輸送を担っているのである。

 

このように、「分からなかったことが向こうから勝手に分かる」という都合の良いことばかり起こるわけではないこともまた分かったが、さすがに7回くらい読めば、今まで手がつけられなかった謎に手をつける余裕もでき、分からないところがかなり潰せることも実感できた。細部の話題になると、地学基礎を選択していない読者諸君にとってはどうでもいいことだろうが、細かい疑問点がポコポコと泡状に残っていたところが、7回目でほぼ全部、潰せたわけである。

疑問点の方から勝手に潰れていったように思える箇所もあれば、こちらの方に心の余裕ができたのをよいことに、最後の読みだから何とか決着をつけようという能動的な意気込みで臨んだ結果、疑問点が細部までおのずと見えてきた箇所もある。

ともあれ、夏休みの宿題を最終日にようやく仕上げるように、Q氏も教科書の疑問点を何とかほとんど潰して、7回読みのゴールに近づくことができた。

 

さらに翌日、第3部「移り変わる地球」第4部「自然との共生」を淡々と読んで、ようやく7回読み全体の行程を終了。

うう…涙、涙である。涙そうそう

第3部と第4部には、特に疑問点はなかった。最後に、7回目(要約読み)のタイムを示す。

 

〈7回目─要約読み2回目─タイム〉

第1部 固体地球とその活動 70ページ

 ⇒ 所要時間1時間52分13秒 0.62ページ/分

第2部 大気と海洋        50ページ

 ⇒ 所要時間1時間54分56秒 0.44ページ/分

第3部 移り変わる地球     70ページ

 ⇒ 所要時間1時間35分17秒 0.73ページ/分

第4部 自然との共生  計43ページ

 ⇒ 所要時間34分49秒 1.24ページ/分

 

全体 計233ページ

 ⇒ 所要時間5時間57分15秒 0.65ページ/分

 

第2部で図を描いて考えたりした割に、第6回と所要時間はあまり変わらない。

ともあれ、やっと終わった。ただただ脱力である。

ありがたい。これで読みの作業から解放された。

 

さて、では次回から、いよいよ地学基礎のセンター試験&共通テスト過去問にチャレンジしてみよう。何点取れるか。乞うご期待。