オンライン医学部予備校

2023年度入試で医学部(東大京大)への合格を目指す全ての受験生をサポートします。

1年の計は立てない

受験生の皆さん、2023年明けましておめでとうございます。ヤンヤヤンヤ。

令和も早くも5年目に突入ですね。光陰矢の如し。

この1月、私大を皮切りにいよいよ医学部入試が始まる。医学部受験生諸君のご健闘を、わたくしQ氏も切にお祈りいたします。

がんばったり、がんばらなかったりしながら、とにかく切り抜けていきましょう!

 

さて「1年の計は元旦にあり」と昔から言い、元旦にはおせち料理か何かを食べながら、1年の計画を練るとよいと言われてきた。

が、何ごとも「ほんとかよォ?」と疑うクセのあるQ氏、この「1年の計」についても、今までの半生でさまざまな経験や観察を積んできた。本日はその報告である。

 

まず「1年の計画は必要なのか」についてであるが、いろいろやってみた挙句のQ氏の結論はこうである。

「1年の初めには、何らか『よし、やるぞ!』的な意気込みだけは新たにした方がいいかもしれないが、具体的な1年の計画は立ててもムダ

だということである。

なぜか。

1年のスパンがあると、前提としていた事情がころころ変わる。急な問題が起きる。予期せぬ幸運が舞い込む。このままずっと行くんだろうな…と思っていた境遇が、途中でガラリと変わる。目標にしていたことが達成されず、先延ばしになる。かと思えば、期待以上の結果に恵まれて、嬉しい悲鳴を上げながら計画を変更しなければならなくなる。

 

要するに、1年先は読めない。大人気だった芸能人が、1年後にはいつの間にか消えたりしている。今はこの世にいない人が、1年先にはオギャアと生まれてきたりする。

イヌやネコなんて、いま影も形もないやつが、春ごろになるとクンクン、ミイミイと生まれてきて、1年後にはあなたのうちで電気のコードをガシガシかじったり、ゴミ箱をひっくり返したりしている。こら、やめなさいってば。いたずら盛り。

 

医学部受験生諸君なんか、はっきり言って、この3月までの戦い次第で、4月以降どうなるのか分からない身である。吹けば飛ぶよな身の上。晴れて医学生になって、受験生時代を超える勉強量におそれをなしているかもしれないし、また振り出しに戻ってシコシコ入試問題集を解いているかもしれない。「縁起でもないことを言うな」と言われそうだが、冷徹に現実を見ないと、受かる時も受からないからね。

 

だから、1年の計画など立てるのはやめよう。「せっかくだから、今年はがんばるぞ!」くらいの気持ちの変化はあってもいい(あったほうがいい)が、計画を計画通り達成できる人というのは、いないのだから。

本の学校教育では、先生が生徒に計画を立てさせるのが大好きだ。ソビエト社会主義共和国連邦かよ。夏休みの学習計画表とかを必ず作らせ、提出させる。あんなものと言っては悪いが、全員が全員、計画通りやるものなのだろうか。先生が生徒を「ちゃんと管理してますよ、仕事してますよ」というポーズのために提出させているだけではないのか。

 

「人間は光の速度で考え、音の速度で語り、カタツムリの速度で実行する」というのは、むかしQ氏が創作した格言である著作権を主張します)考えたことは、ぜったいその通りの速度と形では実現できない。1日のTo Doリストを作って夜明けとともに行動開始しても、実際に達成できるのは、Q氏の感覚だと、いいとこ6割である。どこかで7割と言っている人がいたが、超人かよ。ムリだろ。その人は或いは、計画の立て方が謙虚な人なのかもしれない。

 

だから、学習計画なども、長期のものは作ってもムダ。1か月の計画も、思った通りには実行できない。実行できなければ、実行できない自分を責める心境に陥ってしまい、ヤル気に悪影響が出る。

ひと月先くらいのイメージだけ漠然と思い描いておき、実際やるべきことについて、はっきり意識するのは3日から1週間先くらいまでの内容にしておき、あまり時間的に遠くを見ないで、目の前の課題と日々、格闘するようにした方がよいと思う。目の前のレンガを1つ1つ積むだけで、ひとの精神はいっぱいいっぱいになってしまうからだ。

 

過酷な戦場から生還した兵士によると、敵の銃弾が降り注ぐ中で生き残るには、1m先しか見ず、常に、その1mを生きて前進しようと考えるのだそうだ。「1m分だけ生き延びる」ことを、ただ繰り返すのだそうである。1m、また1mと生きていくことが、戦場を生き延びることにつながる。なるほどである。重い体験談だ。

 

厳しく、頭を悩ませることばかりの受験勉強なども、命に関わらないとはいえ、市街戦の中を駆け抜けるみたいなものである。どのみち、計画ばかり立てていても、それを悠長に実現できる日など永遠に来ない、と考えてよい。荷台に積んだ荷物をボロボロこぼしながら走り続けるトラックのように、とにかく進むしかないのだ。

 

だから受験生諸君、とにかく目前の瞬間だけを切り抜けよう。今年も諸君の健闘を祈る。