オンライン医学部予備校

2023年度入試で医学部(東大京大)への合格を目指す全ての受験生をサポートします。

あらためて、合格おめでとう!

本ブログでも田代先生から発表がありましたが、今年は当予備校の受講生の皆さん、大健闘の結果です。わたくしQ氏は当予備校においては、いまだ「基本的に何もしていない」軒下の地域ネコみたいな存在ですが、皆さんの血のにじむような奮闘努力ぶりは、心の眼で蔭ながら見ているニャン!(←なに言ってんだこのオヤジ、って感じですが)

 

いやあ、でも良かったよねえ。合格者の皆さん。うれしさもひとしおでしょう。安心して眠れるし、安心してのんびりお風呂に入れるよね。気軽にどこかに遊びに行くもよし、おいしいものを食べるもよし。食いねェ食いねェ、寿司食いねェ。

※最近は、こういう古典的フレーズ(「江戸っ子だってね」「神田の生まれよ」「寿司食いねェ」──浪曲清水次郎長伝』森の石松のせりふ)が受験生諸君にまったく通じない。江戸以来の、この辺の文化の継承がぜんぜんうまく行っておらず、世代間に、江戸後期以来日本社会が初めて体験するレベルの大断絶が生じているようだ。「森の石松」をQ氏以前の世代はみな知っているのに、今はもう誰も知らない。日本史の授業をしていて、高校生が「忠臣蔵」を誰一人知らないのに毎年驚き、毎年悶絶しているが、忠臣蔵を知らないと、元禄時代の話をしてもよく分からないのである。遠山の金さんも、銭形平次も誰も知らない。これでいいのだろうか? ──以上ついつい余談。

 

一方で、受験は勝者だけから成るわけではないことも忘れないことである。悔しい結果に直面している諸君、この期間は、少し自分をいたわることに精力を注いでほしい。いいですか、自分を責めることではなく、自分をいたわることね。──これ分かりますか。

勝負というのは時の運で、織田信長だって徳川家康だって武田信玄だって上杉謙信だって、負けるときは負けるのですよ。負けの原因をさぐって反省を積み重ねるのもよいでしょう。だが、負ける原因があるから負けることもある一方、どうしても、逆らいがたい運命の歯車の回転によって、勝ちたいという願いにかかわらず自然に負けてしまうこともあるんです。

 

やたらに人生経験というコトバを振り回すわけではありませんが、負けた場合は、たいてい「負けた方がよい結果になった」ことが多いのです。それは、後からしか分からない。ほんとうに、何十年も経ってから「あの時負けて正解だった」と初めて分かることもあるから、人生は不思議です。

諸君はかく言うQ氏を「老害」と笑うかもしれませんが、幾星霜を経て初めて分かることというのも、人生にはほんとうに多いんです。そういう、なけなしの「知恵」は、Q氏もイヤミにならない程度に、皆さんにお伝えしたい。老害になるか、老賢者になるかが、Q氏ら先行世代にも試されていると思いますからね。

 

「受からない」場合、たいていは実力不足で、まだまだ受からない方がよかった(そこで受かっても、入学後の勉強についていけずに留年する)とか、気持ちがブレブレで、まだ結果を受け入れる状態になっていないとか(受験だけでなく、物事の結果を出せない人に非常に多いことです。メンタルが安定していないうちは、何をやってもあまりかんばしい結果は出ないもの)不合格からも何らかの学びはあるものなんですよ。人生にムダな体験というのはあまりないわけです。今は分からないかもしれないけれど。

 

ですから、われわれ人間にできることは、ひとつひとつの体験からしっかり学ぶことではないかと思うんです。失敗を繰り返す人というのはよくいますけれど、体験から学ぼうという姿勢がなく、すぐ「次、次」とあせってばかりいる人が多い。皆さんは、もうちょっと自分と向き合う時間をとって、精一杯戦った自分を少し癒やしてあげた方がいいと思います。

そして、気持ちが落ち着いたら、すぐ来年に向けて勉強開始ね。

 

一方で、気がつくと3・11であります。震災からはもう12年。早いものです。Q氏は人生初めての独立準備を進めている最中で、確か健康保険の手続きで市役所に行く途上、運転中にあの揺れを経験しました。大きな被害がない地方在住のため、震災や原発事故のニュースは、テレビ等で次から次へと報道されるのを見守るだけでしたが。

記憶を新たにする必要を感じる一方、早く忘れたいと思っている人々もたくさんいらっしゃることと想像もします。まだまだ、被災地に日常生活が戻る気配はありません。

これも、日本列島そのものに刻印されたです。物理的な傷というだけでなく、大きな心の傷。傷と向かい合うには勇気が要りますが、傷つく体験を含め、体験には必ず何らかの意味があるのだ、と、さいきんのQ氏は妙にスピリチュアルな感覚であります。すべては運命に導かれているのかもしれない、と思うことが増えたんですが、これってトシですかね。近頃はキムタクも白髪頭の役をやっているらしいけど、トシは取るものです。

 

個人にも、社会にも、時の流れがあり、さまざまな体験がある。入試の結果が出る区切りの機会で、皆さんの、まだまだ行く末の方が長い人生の、みじかい来し方を省みてもよいでしょう。皆さんにはなかなか理解してもらえない感覚かもしれないとは思いますけど、時の流れに身をまかせる」ことは、かなり大切のようですよ。

受かっても受からなくても、節目節目の出来事や自分の気持ちを心に刻印し、それらをつぶさに眺めながら、しばし時の流れに身をまかせ、手足を広げて浮かんでみてください。

 

時期的にこういう話題はどうなのかな…とセルフ疑問をめぐらせつつ、週明けからまた「学歴」のお話を少し続けます。