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2023年度入試で医学部(東大京大)への合格を目指す全ての受験生をサポートします。

超難関国立医学部を目指す受験生へ(数学チャレンジ問題の推奨解答)

 

先日出題したチャレンジ問題は当記事で完結します。

まずは問題の再掲です。

 

【チャレンジ問題】a,b,cは正の実数で、a+b+c=1を満たしている。

このときa²+b²+c²≧1/3(3分の1)が成り立つことを証明せよ。

 

前回はコーシーシュワルツの不等式を利用した解答を紹介しましたが、今回はさらに確実性が高く、応用範囲も広い強力なテクニックで解いていきます。

是非とも習得して大幅なレベルアップを図ってください。

 

まず問題文の言い換えを行います。

この問題文を言い換える

a,b,c>0 a+b+c=1の条件のもとで、多変数関数a²+b²+c²の取り得る最小値が1/3であることを証明せよ」

ということになります。

そこで多変数関数の値域を求めるためのテクニックを用いてこれを示すことにします。

多変数関数のとりうる値の範囲を求める方法として、大学教養課程の数学を持ち出すならば偏微分を使うことになりますが、これを大学入試の答案に用いることは全くおすすめ出来ません。

確かに答え自体は驚くほど簡単に求まります

「停留点」といわれる点(座標)を求めてその数値を代入するだけです。

しかし、そこで求めた停留点がその多変数関数の最大値(最小値)を与える点であるかは厳密な議論が必要(詳細は割愛)で、それを大学入試の答案で記述するのはコスパを考えるととても割に合いません

そこで、偏微分法と類似した考え方に基づいた「1文字固定法(予選決勝法)」とよばれるテクニックを用いて解いていくことにします(問題集でも定番の解法です)。

「1文字固定法(予選決勝法)」の手順を簡単に説明すると以下のようになります。

 

他の文字を定数として固定し、1つの文字だけを変数として動かして最大値(最小値)を求める(最大・最小値の予選)

残った文字について同じように1つずつ変数として動かしていき最終的な最大値(最小値)を求める(決勝)

 

さて、解答についてですが、これは板書したものの画像を以下に貼っておきますので、読んでみてください。大多数の受験生が引っ掛かると思われる落とし穴についても言及していますので必見です。

 

 

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1文字固定法・予選決勝法を用いた解答

 

結構泥臭い方針ではありますが、ほぼ多変数関数の最大最小問題が出題された場合にほぼ確実に解ける手堅い方法です。

東大理三・京大医学部・阪大医学部への合格・あるいは数学の難度が高い単科医科大学を目指す受験生の皆さんは確実に習得しておきましょう。

 

演習価値の高い良問や面白い問題など、また機会を見て扱っていこうと思います。

役に立ったと思った方は以下の「受験ブログ」のバナーをクリックした上で他の記事もご覧頂ければと思います。

大阪医科薬科大学・合格へのアドバイス

大阪医科薬科大学突破へのアドバイス

先日記事で取り扱った近畿大学医学部と同様、大阪医科薬科大学(2021より統合再編・前大阪医科大学)についても皆さんの合格に直接役立つ情報を惜しみなくお届けしてまいります!医学部受験生の皆さんは大阪医科薬科大学に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?立地が良い・学生生活が華やかそう・でも偏差値が高くて合格は難しそう・・・といったところでしょうか。「行けるなら行きたい医学部の一つ」ではないでしょうか。それならば、この記事は絶対に読まなければなりません。なぜなら大阪医科薬科大学は私の講師としての指導歴の中で最も多くの合格者・入学者を出した大学だからです。正直な話、手の内を知り尽くしてます。えっと・・・今数えてみましたが合格者は12人・入学者は7人です(殆ど家庭教師や個別指導で教えた生徒です)。入学率高いと思いませんか?(以下に説明します) 合格者数は近大医とタイ記録くらいです。このように多数の合格者を輩出してまいりましたので、当大学入試突破のノウハウについて最新かつ確かなものを提供できるかと思います。また、入学した生徒と繋がっておりますので、とっておきの内部情報とかもたくさんあります(こちらについてはいっぺんにではなく徐々に更新していく・または別記事の形でお知らせしていきます)。有益なノウハウが凝縮された少し濃度の濃い記事となっておりますが、どうぞ最後までお付き合いください。

まずは大阪医科薬科大学の入試データや各科目の傾向分析についてまとめましたので、こちらからお読みください!

入試データ(入試科目と配点)

 【一般入試前期日程】

≪1次試験:筆記試験(400点満点)≫

英語100 数学(ⅠA・ⅡB・Ⅲ)100 理科200(物理・化学・生物から2科目選択)

 ≪2次試験:小論文・面接(段階評価・点数化無し)≫

 

【一般入試後期日程】

≪1次試験:筆記試験(400点満点)≫

英語100 数学(ⅠA・ⅡB・Ⅲ)100 理科200(物理・化学・生物から2科目選択)

 ≪2次試験:小論文・面接(段階評価・点数化無し)≫

 

【共通テスト利用入試】

≪1次試験:共通テスト(700点満点)≫ 

 英語200(リスニング40) 数学ⅠA100・ⅡB100 理科200(物理・化学・生物から2科目) 国語100 

 ≪2次試験:小論文・面接(段階評価・点数化無し)≫

 

 【合格者最低点(正規合格者)】

2023年:前期252/400・後期240/400

2022年:前期255/400・後期258/400

 

★各科目の傾向分析と対策

【英語】

≪試験時間:80分 問題構成:大問3題(全て記述式)≫

〈分析〉(前期・後期共通)英文解釈2題と英作文1題という、京大に近い問題構成となっています。ただし、難易度自体は京大よりはるかに易しいです(英作文の文章もかなり短い)。分量は適量で、余裕をもって解答できます。ただし、一般的な私大医の出題形式とは異なり完全に国立型の出題構成であるため、苦手意識のある受験生には難しく感じるでしょう。さらに(これはある程度確信をもって言いますが)採点がかなり厳しいと思います。それも質の高い答案には高い点数を、半端な答案には限り無く0点に近い得点を、といった実力に応じた明確な差別化を行っているような印象です。

【数学】

≪試験時間:100分 問題構成:大問5題(全て記述式)≫

〈分析〉(前期・後期共通)全問記述式で、本格的に作り込まれていますが、難易度自体は典型的かつ標準的な問題が中心となっています。試験時間は大問5題に対し100分ではありますが、1題あたりの分量が軽めであるため、適量と言えます。私大医学部としては非常に珍しく、整数分野や図形問題(初等幾何寄り)が頻出しており、どこか京大入試のような雰囲気です。他の分野では「確率」「複素数平面」「微分」「積分」が頻出です。

採点は恐らく甘めだと思われます。

 ※10段階難易度評価:7

【物理】

≪試験時間:60分(2科目で120分) 問題構成:大問4題)≫

〈分析〉(前期)大阪医科薬科大学の物理は内容は標準的で定番のパターン問題が多いのですが、ただし若干分量が多めで、その点を考慮するとやや難といえます。試験時間がタイトなため1題に固執せず(無理に全問完答しようとせず)、解ける問題(大問)を見極め手際よく解き進めていく要領の良さが要求されます。当大学についても良問の風や名問の森を用いた演習で十分合格点に達します(解答解説は誤魔化しが多く個人的に好みませんが問題選定は素晴らしい(定番と言ってもよい)問題集ですので“良質な物理講師”の指導監督の下使用しましょう)。

(後期)前期試験打って変わって、かなり作問が雑です。作り置きの典型問題を急いで貼り付けたような印象を受けます。難易度も前期より易しく、取り組みやすいのですが、前期入試問題から伝わるオーラが感じられません。まあ順当に高得点を狙っていくだけですね。

【化学】

≪試験時間:60分(2科目で120分) 問題構成:大問3題≫

〈分析〉(前期)大阪医科薬科大学の化学は典型的で取り組みやすい問題が多く分量も適量です(全体の難易度はやや易~標準)。合格には高得点(最低7割)が必要です。特に有機化学は日頃の演習を積んでいれば短時間で満点が取れます。理論化学では若干難しい問題もしばしばみられるので、簡単な大問を手早く片づけて貯金を作り、じっくりと取り組めるようにしましょう。

 (後期)物理と同様に後期入試は作問者のモチベーションが若干下がっているのか、簡素で味気ない典型問題のみの出題となっています。ちなみに非難しているわけではありません。紙1枚に大問4題が収まった問題用紙をみれば誰でもそう思います。難易度についても前期より明らかに易しく、8割は取りたいです。

非公式情報(再受験多浪差別・入学後の進級の厳しさなど)

 【再受験・多浪差別】

前期全く無し。補欠候補を選別する面接でも厳正に選別されます。再受験生・多浪生共に合格実績多数で、安心して受験できます。

後期:基本的には無いと言ってよいですが、面接は前期と比べて厳しく、慎重に行っているようです。合格最低点を超えて不合格(面接一発不合格)となるケースがしばしば見受けられます

 【入学後の進級の厳しさ】

以前はとても緩かったのですが、近年若干厳しくはなりました。現在当大学に進学した元生徒に聞き取り調査中です。すぐに詳細について更新いたします。

 

大阪医科大学・所感とアドバイス

私大医学部を含め医学部を目指しておられる受験生にもう一つ、特にお伝えしたいことがあります。それは大阪医科大学は「英語特化型」の受験生の合格率が特に高いということです。英語が不得手な受験生はかなり苦戦を強いられる思われます(「理数特化型」の場合は突き抜けて出来る必要あり)。これは上記で述べた通り、英語において上位層下位層で大きな得点差を付けているためです。また、理科の選択については化学・生物選択者が若干有利であることが多いです(物理より生物の方が得点しやすい)。実際のところ私がこれまで関わった受験生を見ても、英語が得意・理科は化学生物選択という受験生の合格率がかなり高いです。物理化学選択の受験生については(数学が苦手でも)決まって英語はそこそこ仕上げておりました。ちなみに近畿大学不合格で大阪医科大学は合格という生徒がかなり多数います。近大医と大医の合格要件がほぼ逆だからでしょうか。

また、「他大学が全て不合格で大阪医科後期日程のみ合格」という生徒も複数名いました。なので大阪医科前期日程が不合格・国立大学が不合格でも最後まであきらめずチャレンジしてみる価値は十分ありです(前期と比べて後期の合格者の学力は若干低いです)。

また、何と言っても大阪医科大学立地が最高です。楽しい学生生活を遅れることでしょう。入学後の進級も(他の私大医と比べると)比較的緩めであるため、個人的にかなりおすすめの大学です。

 

大阪医科大学のまとめ

前期日程は再受験生多浪生差別は全く無いクリーンな入試。入学後の進級は緩めで立地も最高。是非とも受験校の一つとして検討したい。

英語の難易度は高くは無いが非常に差が付くため、英語特化型の受験生(特に生物選択)が合格しやすい(最重要事項)英語が苦手な受験生は極めて不利になるので、単語力熟語力を効率よく伸ばし、英文読解や英作文の場数をとにかくこなしたい。

 

いかがでしたでしょうか。個人的に大阪医科大学も自信を持ってお勧めできる良い大学です。要求される学力ハードルは高いですが地道な努力が実りやすいある意味手堅い大学だと思いますので是非挑戦してみてください!

 

当予備校ではご覧頂いた通りの豊富な情報力と指導ノウハウをもとに私大医学部国立医学部問わず様々な受験生へ綿密な指導を行なっております。

対策にお困りの方当ブログのトップにございます予備校紹介の記事をご覧いただき是非一度お問い合わせください

超難関国立医学部を目指す受験生へ(数学チャレンジ問題解答)

今日は前回出題した問題の解答を書いていきたいと思います。

まず、以下に問題を再掲いたします。

 

【チャレンジ問題】a,b,cは正の実数で、a+b+c=1を満たしている。

このときa²+b²+c²≧1/3(3分の1)が成り立つことを証明せよ。

 

まずは若干テクニカルではあるものの高校1年生でも対応可能な解答から。

コーシーシュワルツの不等式を用いて解くというものです。

 

【解答1】実数p,q,r,x,y,zについて次の不等式が成立する。

(p²+q²+r²)(x²+y²+z²)≧(px+qy+rz)²

(等号はp:q:r=x:y:zのとき成立する)・・・・・(※)

(※)の式に(p,q,r)=(a,b,c)および(x,y,z)=(1,1,1)を代入すると

(a²+b²+c²)(1²+1²+1²)≧(a+b+c)²

またa+b+c=1であるから、3(a²+b²+c²)≧1が成り立つ。

等号 a:b:c=1:1:1およびa+b+c=1のとき、

すなわちa=b=c=1/3において成立する。

したがって、a²+b²+c²≧1/3が成り立つ(証明終)

 

コーシー・シュワルツの不等式は出来れば証明してから用いるのが望ましいです(私が採点官なら証明が無くても減点はしませんし、上記の答案でも証明はカットしていますが、最低限正しい用法で記述しましょう。特に等号成立条件に言及してない答案は大減点は避けられません)。

〈証明は様々ありますがベクトル(p,q,r)とベクトル(x,y,z)について内積の定義式を立ててから証明するのが一番簡単です(今回は詳細は省略します)〉

 

コーシー・シュワルツの不等式を用いる問題を解いて間もない受験生にとっては一瞬で解ける問題かもしれませんが、この問題には実は「ある仕掛け」が施してあります

それはa,b,cを正の実数とすることで、相加平均・相乗平均の不等式を用いるようミスリードするということです。

a,b,cが相加平均・相乗平均の不等式を用いた変形をすると、abc≦1/27(3数の積abcの最大値が27分の1)という式が出ますが、この式をいくら頑張って用いても恐らく結論を導くことはできません。

この方針を取ってしまった時点で罠に嵌ったことになります(笑)。実際のところコーシーシュワルツの不等式よりも相加平均相乗平均の不等式の方がはるかに使用頻度が高いため仕方のないことかもしれませんが・・・。

本来「a,b,cは実数で、a+b+c=1~」という設定でも成立するはずの問題をわざわざ「正の実数」と限定したのもこういう意図があります(本当はこれだけではありませんが)。

 

コーシー・シュワルツの不等式を用いることを選択肢の一つに常に入れているような受験生にとってはもしかしたら簡単すぎる問題だったかもしれませんが、上記の「ミスリード」を華麗にすり抜けて正答出来た事には大いに自信を持ってもらって大丈夫です!

 

ただし、このような問題ではさらに推奨される解答方針があります。

それについては来月頭の記事で解説いたします!

 

余談ですが、コーシーシュワルツの不等式の証明は「テクニックの宝庫」なので複数の証明法を学習しておくことをお勧めします(当ブログでも後々扱います)。

 

では今日はここまでといたします。

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超難関国立医学部を目指す受験生へ(数学チャレンジ問題)



今日から数日間は更新に力を入れていきます。

若干本気を出してみます。

 

さて、今回は理系受験生の皆さんに数学の問題を1題出題いたします。

たった1題の問題ですが、極めて演習価値の高い良問です。

この問題は皆さんの数学力をそのまま浮き彫りにしてくれます。

複数の解答方針があるのですが、そのどれを用いるにしろ確固たる地力が必要で、どの方針を用いるにせよ「正答出来ること」自体が高い数学力の証明となります。

そのような問題って中々無いのですが、今回出題する問題は適格なものとなっています。一応典型問題ではあるのですが、相当受験数学をやり込んでない限りは(つまり多くの受験生にとっては)恐らく初見だと思います。

この問題が正解出来たら、数学力に限れば阪大医学部合格レベル以上の実力があると考えて頂いて差し支えありません

複数ある解答方針のどれもハードルは高く、まぐれでは絶対解けないので。

 

前置きが長くなりました。問題を以下に載せておきます。

 

【チャレンジ問題】a,b,cは正の実数で、a+b+c=1を満たしている。

このときa²+b²+c²≧1/3(3分の1以上)が成り立つことを証明せよ。

 

解答は明日の記事で書きます。是非チャレンジしてください!

 

 

大阪大学理系数学の傾向分析

【出題傾向・難易度】

試験時間:150分 問題構成:大問題・各問2~3の小問から成る

阪大数学の例年の出題傾向・受験生に要求されている事項を要約するならば、間違いなく次の2点に集約できるでしょう。

目新しい設定を正確に把握し・吟味する能力

やや煩雑な計算であっても正確に処理する能力

 

ただし、用いるテクニック自体は典型的であり、発想力はそれ程要求されていません。

またもう1点、阪大数学の重要な特徴として、証明問題より“求値問題”が目立つということが挙げられます(この点、京大数学とは対照的といえます)。

いわゆる「定石」を複数組み合わせることで解答できる点は他大学と変わりはありませんが、問題設定自体が比較的目新しいため、一見しただけではどのテクニックを用いるのか分かりません。慎重に問題文を読み、問題設定を正確に理解し、吟味を重ねることで初めて突破口を見いだせるように作問に緻密な工夫がなされています。

 頻出分野は頻度順に、「数Ⅲ微積」・「整数問題」・「空間図形」・「場合の数確率」・「極限」といったところです。数Ⅲからの出題割合が極めて高い(例年大問5題中3題程度)ので、まずはそれらを確実に完答することが合格への最重要課題といえます。明らかに実力差に従って順当に点差がつく出題構成といえます。

無理な難問は基本的には出題されませんが、2011年度だけは例外的に難問揃いの厳しい出題でした。一方で2020年度入試ではかなり易しい出題となりました。難易度に関してはこのように突発的にブレます。これから阪大医の受験を考えておられる受験生は過度の難問への警戒は必要ないものの、急激な難化もあり得るという想定のもとで、日頃からハイレベルな問題への免疫をつけておいたほうが良いでしょう。

 

※10段階難易度評価:8(2011年度のみ10)

 

【阪大数学対策】

阪大では求値問題が主に出題されますが、証明問題が出題される場合は結構な難易度であることが多いです。定石やテクニックを習得していくインプット型の学習と併行して、重めの問題に対して文章を吟味し、数式化し、題意を掴み難ければ簡単な数値を代入して実験するといった脳と手をフル稼働させる能動型学習も随時行っていく必要があります。

ペースメーカーとしてふさわしい模試はもちろん阪大模試(阪大実戦・阪大オープン)が第一ですが、これらは秋にしか実施されません。そこで、受験をおすすめしたい模試として駿台全国模試があります。駿台全国模試の数学は問題形式・難易度共にまさに阪大数学を想定したようなものとなっており、これをペースメーカーとして学習計画を立てたり修正たりすることを奨めます。

医学部地域枠入試について思うこと

こんにちは。オンライン医学部予備校でお世話になった現在医学生をやっている者です。

 

このブログランキング?に投稿されている方の話を見たうえで、一医学生として最近流行りの医学部地域枠なる入試形態について自分が思ったことを率直に正直に話します。

 

私はアルバイトの個別指導で、今年度入試地域枠でもいいから医学部に何とか入りたいという生徒を担当することになり田代先生から少しばかり話を聞きました。そのうえでどのように先生が考えているのかについても聞きました。

その話も含めて私は推薦とりわけ地域枠入試に受験を希望する生徒さんは受験について慎重に検討されておくことを勧めます。オブラートに包まずに言うと、よほどの事情でも無い限りやめておきましょう、ということです。

というのも本来は平等な試験において入学する生徒はみな同じスタートラインに立っているのに、入学当初から枷をはめた状況で6年間を生活しなくてはなりません。

私の大学では一般合格者は平日にしか登校の義務がないのに対して地域枠合格者と推薦合格者は土曜日にも登校の義務があります。また、追加の課題や実習先の病院の制限などの様々な制限が付きます。地域枠の実習先は普通はその大学のある都道府県にあるはずなのにその地域までわざわざ行かなくてはなりませんでした。

このように本当に大学に入ってから苦労しているように(私は)感じます。

また私の父は病院経営者で医師を雇う立場にあるのですが、「地域枠出身の医師はあまり採用したくない」といつも言っています。

私が昔在籍していた中小予備校で社長兼英語講師(カスみたいな指導能力とクズみたいな人間性のハイブリッドです)がバカの一つ覚えみたいに医学部地域枠を薦めてきたのですがニワカが何言ってんだか、といった感じで無視しました。

田代先生も当時その予備校で教えていたのですが、田代先生だけは本当に〇〇が医学部受験を今年で終わらせたくて今後の自分の人生に責任を持てるなら地域枠でも構わないが出来るのであれば入学後の事までしっかり認識し計画したうえで受験してほしいと言っていました。さすが医学部卒だけあって実情が分かってるなと父が感心していました笑

 

このように一度の判断が今後の一生にかかわってきます。なのでできることならば真剣に考えてみてください。大学受験なので自分自身の決定で受験をするのですが大学の費用を出すのは親なので少なくとも親の意見もいかないといけないのですがもしも親の意見を聞くのであればご両親も子供の問題について今一度考えてみる必要があるように思われます。

確かに地域枠は一般枠に比べれば合格は簡単で多分奨学金も出て家計にも優しいですが一般入学者よりも足枷がある状態で6年間を過ごすことになるだけではなく、医師になった後も働く場所や分野に制限がかかって、技術を身に付けるのに他の医者より大きく出遅れます。はっきり言いますが1年でも早く入学すること以上の人生単位のデバフが付きます。

 

この先は村や都市部の少子高齢化が過疎化するので地域医療はとても大切な役割を担いますが、自分の人生を考えて人の多い都市部にいって働きたいと考えているのであれば是非とも今一度考えてみてください。

 

ちなみに私は将来は人口の増加が今後とも望まれるような日本の都市部、例えば大阪、東京、福岡、もしくは人はそれ程だが毎日楽しく過ごすことのできるのんびりとした生活を送ることのできる海外に行って働きたいと考えています。そのために今、他の友達などには黙ってこっそりと英語の勉強とUSMLEの勉強をしています。6年で卒業をした後に自分だけ海外に行くんだ!と言えるなんて本当にかっこよくないですか?まあ、私の大学では先例も殆ど無くどのように勉強をしてよいのかわからないので4回生の時間があるときに今後の生活についても考えてみようと思います。

 

最後に小話ですが、個別指導は本当に時給は良いのですが人間関係が広がりません。そして、飲食関係のバイトはやってみたいのですが時間の管理が難しいです。しかし、この今持っている個別指導の生徒が一段落すれば個別指導のバイトは切り上げます。そうしたら一度飲食関係のバイトをやってみようと思います。

 

今回はありがとうございました。

体調管理を気にするべきか

共通テスト終了の声を聞いたばかりだというのに、もうすでに私立大学医学部・私立医科大学の1次試験が複数校実施された。さっそく受験を済ませた医学部受験生の皆さん、どうもおつかれさまでした。

すぐに次の試験が控えている人も多いだろう。なるべく気負わず、ふだん通りの実力が発揮できるよう、こういう時だからこそ敢えてゆったり構えて試験に臨んでください。自宅から会場に行く受験生だけでなく、試験のために宿泊している受験生は、前日はなるべくシャワーで済ませるのでなく、バスタブに浸かって入浴した方がいいらしいですよ。

 

さて、日本の大学受験は、新型コロナウイルス出現前からずっと「風邪と雪の季節」に行われている。財政年度が4月に始まる以上仕方がないことで、大学だけ欧米に合わせて9月開始とすると、今度は交通機関が乱れやすい豪雨の時期の入試となり、現役生のインターハイとも重なる。日本の場合、入学時期をいつにしても、入試は何らかの悪条件を伴う季節に設定せざるを得ないようだ。気候のよい10月あたりに入試を設定すると、地域によっては吹雪の入学式になりかねない。

 

今年はまた新型コロナの変異株が出現し、再流行の兆候が現れている。コロナ以前の時期と同じように語れないのはわたくしQ氏も承知しているが、この時期になると特に諸君の周囲のオトナの口から合言葉のように聞かされる「体調管理を万全に」というコトバについて、昔から考えていることを述べて、受験生の参考になるようなら参考にしていただきたい。

 

「体調管理」は確かに、大切は大切である。なにも受験期に好きこのんで暴飲暴食をしたり、いきなり寒中水泳をして風邪を引いたり、インフルやコロナをもらいそうな場所にわざわざ出向いたりする必要はない。睡眠時間もなるべく増やす方が頭にはよいから、この時期になって過剰に根を詰め、あまり夜遅くまで勉強するようなことはしない方がよいだろう。

 

オトナ社会にも、ふた言めには「体調管理」とのたまう人(上司など)はたくさんいるし、Q氏が高校生だった頃にも、「体調管理!」と叫ぶのが大好きな先生は必ずいた。

が、高校生のQ氏から見ていると、体調管理を声高に叫ぶオトナほど、どことなく保守的で頭がカタそうな人が多く、正直、あの先生の意見はあまり根本から参考にはならないな…と受け流したくなるケースが多かった。体調管理が大好きなオトナの皆さん、ごめんなさい。

しかし、その後の人生においても「あ、この人はアタマの中が若々しくて、柔軟だな」と感心する人で「体調管理!」という人はひとりもいなかったのである。

Q氏自身も、好んで石頭と思われたくないから…ということもあるが、そもそも「体調管理!」と言う必要性自体を感じないので、受験生に「体調管理!」を叫んだことはない。ただ、睡眠の重要性と効果は数多くの実証例によって知っているつもりだから、受験生には睡眠の大切さだけは話すようにしている。

 

なぜ「体調管理!」と言いたくないのか。それは、

 

①そんなこと、医師でもない他人からうるさく言われることではないから。

②体調管理をしつこく言う人は、Q氏の観察によれば、むしろ他人そのものを管理したがるタイプの人ではないかと疑われ、Q氏はそういう人の仲間に入りたくないから。

体調管理にいくら気をつけても、体調を崩すときは崩してしまうものだから。

④体調を崩すことに過剰な恐怖心を持つこと自体、気持ちを萎縮させ、試験以外に無用な心配事を増やすことになるから。

 

最も大きい理由は③、次が④である。特に③について付け加えれば、人はどんなに気をつけても、試験当日に限って風邪を引いてしまうような時は、引いてしまうものなのだ。新型コロナに関しては事情が違うと言えば違うが、死者数が多いとはいえ軽症化した新型コロナも、もはやインフルエンザと同列に見てよいかもしれない。「自分はかからない」という自信がいくらあっても、流行中の感染症は、思いがけないところから拾ってきてしまうものなのである。

受験期に移動しないわけに行かないから、コロナのない時代にも、風邪やインフルエンザはもらって来やすかった。自己管理を徹底しようがしまいが、季節性の感染症リスクは常にある。さらに交通事故の危険や、遅刻に結びつくようなその他トラブルに見舞われる確率を考えれば、無事に試験会場にたどり着けるかどうかさえ、危ぶみ出せばきりがないのである。

 

だから受験生諸君に必要なのは「病気にならぬようビクビクしながら過ごす」ことではなく、(周囲に広げてしまう危険性が大きい感染症でない限り)多少は体調が悪くとも、とにかく試験会場に行って試験を受けること」だろう。普通の風邪ならば、多少熱があっても会場に行き、試験を受けるのである。当日のチャンスを逃したら、次に受験できるのは、多くの場合1年後ではないか。

試験を受けられない状態にまで行ってしまう病気は、高熱よりもむしろ胃腸の痛みである。それも、急性の消化器疾患を起こしたのでなければ、たいていはトイレに行けば済む話だ。身体のコンディションに万全を求めすぎると、気持ちがそちらに向きすぎてしまい、試験どころではなくなってしまう恐れがある。

「這ってでも会場に行き、熱に浮かされてでもいいから、とにかく受ける。」そう大胆に決心できれば、あんがい風邪も引かない。人間とはそういうもののようである。繰り返しになるが、試験会場に指定がなされている感染症や、命に関わりそうな急な症状などの場合は除く。それは当たり前ですけどね。

 

Q氏がそういう「昭和的スパルタ」なことを言うのには理由がある。Q氏自身が受験生時代、本命校以外の入試日にすべて体調不良に見舞われた経験があるからだ。不安によって一睡もできなかったり、風邪を引いて鼻が詰まってしまったり(当時は別室受験が一般的ではなく、鼻をすする音で周囲の受験生には迷惑をかけてしまった)…入試の日になると何かあるのである。さんざんだった。

が、不思議なことに「火事場の何とかヂカラ」か、体調が悪かった試験日ほど試験結果がよかった。頭がもうろうとして、緊張などいっさいせずに済んだのが良かったのかもしれない。ほとんどの日程で、試験が終わるとその場に倒れ込む、試合終了後のボクシング選手みたいな状態だったが。

そして、体調不良に悩んだ受験校が多かったことを教訓とし、本命大学の入試日は体調管理を万全にし、すべてに余裕を持って試験に臨んだ。

ところが、あにはからんや得意科目の時間に妙に緊張してしまい、冒頭30分ほど、いくら読んでも問題文の意味が分からないという失読症ディスレクシア)的な状態に陥ってしまった。30分経過後に急に文章が頭に入るようになったため、残った問題を慌てて解いて何とか時間内に終わったが、あれは危なかった。「コンディションを万全に『管理』していればいいというものではない。試験は常に不測の事態との戦いなのだ」ということを強く認識した経験である。

 

だから、Q氏も受験生諸君に「体調管理!」とは言わない。その代わり、何があっても開始時刻までに試験会場に行き、どんな状態であっても試験を受けてください。体調最悪の時ほど試験に受かる…というのは、Q氏以外の何人もの口から聞いたことがある。

 

今日も諸君の健闘を祈る!