オンライン医学部予備校

2023年度入試で医学部(東大京大)への合格を目指す全ての受験生をサポートします。

山が赤くなると受験生が青くなる

初めまして。本日からしばらくの間、オンライン医学部予備校のブログを担当いたします、Q氏と申します。

医学部受験に挑む皆さんが、1日の終わりにほっとひと息つきながら読め、「意外とためになる」記事を目指します。どうかよろしくお付き合いお願いいたします。

 

長く受験生の皆さんにお付き合いしていると、世間の話題にあまりのぼらない、些細に見えて実は重要と思われる現象に、数々出くわす。

その中に、タイトルに掲げた山が赤くなると受験生が青くなる」現象、すなわち紅葉の季節である11月になって、多くの受験生がそろって心身の不調や、学習の頭打ち感を訴え出す現象が挙げられる。

11月といえば、受験生には貴重な追い込み時期。2カ月後には既に私大医学部入試が始まっているこの大切な時期に、いきなり疲れやすくなり、やる気が起きなくなる。模試の成績も完全に伸び悩み、自分なりに頑張ってきたはずなのに、成果らしい成果が何も出ない。

勉強のピッチを上げるべき時期であるにもかかわらず、頭が重く、やたらに悲観的な考えが湧いてきて、一歩も先に進めなくなる。「受験うつ」を疑う状態になる受験生も増え、特に繊細な人の中には、面談中に突然「消えてしまいたい」などと泣き崩れる人もいる。

 

受験生の皆さん本人にとっては深刻なスランプなのだが、よく考えてみれば、「多くの受験生が、11月という決まった時期に、いっせいに同じうつ状態に陥る」ことは不思議ではないだろうか。疲労の蓄積によるスランプが、個々人の勉強ペースに応じて順繰りに訪れるのなら、受験生の不調の訴えが11月の一時期に集中する現象は、うまく説明できない。

わたくしQ氏の指導経験からは、それまでの勉強ペースのいかんにかかわらず、スランプ時期は多くの受験生の間で一致する。それが「魔の11月」なのである。

 

これは、生理現象だと捉えた方が理解しやすいだろう。11月の紅葉シーズンといえば、気温の低下が顕著になり、日々の寒暖差も激しい季節。木々が葉を落として冬眠に入るだけでなく、動物もすっかり冬毛に着替える時期だ。人間でも「季節の変わり目」に持病が悪化するなどの観察や経験談は、挙げればきりがない。

受験生にとっての「魔の11月」は、自律神経が気温の変化について行けなくなることで生じる、純粋に生理的な不調によるものだろうというのが、Q氏の確信である。

 

受験生、特に医学に志す受験生の皆さんは、勉強が進まず泣きたくなるこの時期の自分を、少し客観的に眺めてみてほしい。人間である以上、われわれは環境の変化とともに日々を過ごし、地球の呼吸とリズムを合わせて生きている。山々が色づき、動物たちがねぐらに籠もる季節には、われわれの中でも急速な冬支度が進んでいるのだ。

 

戦いに「勝つ」人は、小さなことでは焦らないものである。受験生の皆さん、あまり悲観しないように。誰もが経験する不調ならば、乗り越えるのも実はそれほど難しくないはずだ。

次回は「魔の11月をどう過ごすか」のお話をしてみたい。