オンライン医学部予備校

2023年度入試で医学部(東大京大)への合格を目指す全ての受験生をサポートします。

受験期のトモダチ関係

前回まで、モチベーションにかかわる受験期のやや深刻な問題を取り上げてきた。

当予備校の当ブログも、国語講師のわたくしQ氏が担当する限り、申し訳ないが田代先生のように簡明な数学の難問分析等ができない。

受験生の「人生相談」に乗ってきた経験だけは、下手をすると皆さんの人生より長いかもしれないから(歳がバレる…)、当ブログもしばらくその方向で行くしかないか…と思う。

皆さんの「アニキ分」という年齢ではないが、「オジキ分」的なノリで。任侠やくざみたいですね。

 

さて、受験生のヤル気をそぐ要因というのは多々あるが、受験生でなくとも、人間の心を屈させ、モチベーションを低下させるのは、たいてい「悪い人間関係」である。

受験期は、この悪質な人間関係の影響を、極力遠ざけたい。なるべく「われ関せず」で、他人と距離をとった方がいいと思う。

 

もちろん、ともに切磋琢磨する友人関係は重要だ。

だが、友人関係も、互いに節度をわきまえ、陰ながら応援し合う程度の淡いつきあいにしたい。「熱き友情」を夢見る年頃の人には難しいかもしれないが、お互いにあまりに深入りしすぎると、時として思わぬ余計なトラブルが生じる。

 

友人にただ冷たく、ドライに接しろというわけではない。

が、お互い心から応援し合えるような友でなければ、他人とは少し距離をとった方がよさそうだ。よい刺激が得られる関係もある一方で、必ず、お互い依存的になりすぎたり、嫉妬心がからんだ不毛な争いに発展したりする関係が出てくる。距離をとりながら、互いに穏やかに接するような関係が理想なのだが。

 

難しいのは、よい刺激も得られる一方、相互依存に陥って泥沼化もしてしまうような友人関係かもしれない。何らかの実りがある関係ならば、多少傷つけ合うようなことがあっても長く続くだろうから、その辺は皆さんが好きにやるしかない。

が、どちらに転ぶか分からない危うい人間関係というのも、世の中には大いに存在する。それは覚えておきたい。

 

また、さらに難しいのは受験期の恋愛。結論から言えば、受験期の恋愛は、相互依存的な現実逃避行動になりやすく、コントロールが非常に難しい。生物学的には恋愛シーズンなので、恋愛感情が生まれること自体はもちろん否定しないが、恋愛関係を適切に維持しながら志望校に合格するのは、凡人にはかなり難しいように観察される。恋愛を悪とはもちろん言えないだけに、悩ましい問題だ。

恋愛をエネルギー源にして、お互い励まし合って合格を勝ち取るうるわしいカップルも、もちろんいるだろう。が、圧倒的少数派ではないか…という現実的な観察もある。

受験では、残念ながら非モテ」の鬱屈した精神エネルギーが成果に結びつきやすい。特に男性には「非モテの復讐としての受験勉強」が多く見られる。よいことか悪いことかは別として。

 

さて、そうこうしているうち、精神的に不安定になりやすい晩秋になると、人間関係のストレスを訴える受験生が目立って増えてくる。

オンライン予備校ならばリアルの人間関係が新たには生じにくいかもしれないが、浪人生でも、SNSなどで高校の同級生といまだにつながっていれば、その人たちの情報が否応なしに入ってくるだろう。

 

受験生の訴えでおそらく一番多いのは「マウントを取ってくる友人」の悩みである(次点が「推薦やAOで、ひと足先に実力以上の大学に受かった同級生への割り切れぬ思い」であるが、これはまた機会を改めて)。

マウンティング大好きな受験生、確かにいる。やたらに人を見下し、頼まれてもいないのに他人の志望校を論評する。やれ偏差値が低いだの、あの大学も、その学部は大したことないだの。

(Q氏も、半生で何度か「文学部差別」を意識させられたことがある。そこで専攻する内容を学びたかったから文学部を選んだまでであって、他学部受験を検討さえしていないのに、なぜ法学部や理系学部、医学部に行けなかった「クズ」扱いされなければならないのか──とうとう理解できないまま、こんにちを迎えている。Q氏がアタマ悪いのかね。)

 

大学の一般学部でさえそうなのに、真剣な医学部志望者ならばなおさら、この手のマウンティング動物に不快な思いをさせられたことがあるのではないか。

マウンティングに余念のないご本人は、それを趣味として大いに楽しんでいるのかもしれないが、余計な雑音を耳に入れられる周囲の受験生にとっては、ハッキリ言って迷惑以外のなにものでもない。

 

次回は、この「マウンティング動物」の生態と、その運命について考察しよう。