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勉強法武者修行04──7回読み勉強法(4):テキストの選定と入手

桜と菜の花が一斉に花開く時期である。皆さんのお住まいの周囲はいかがですか。

 

はてさて、わたくしQ氏が「7回読み勉強法」に身体を張ってチャレンジする、底ぬけ脱線ゲーム(←ふ…古い。受験生諸君は誰も知らないだろう。金原二郎とか、サンダー杉山とかって知ってる?)とか、風雲!たけし城(←これも、もうかなり古い。ビートたけし全盛期のヒット番組である)とか、『SASUKE』とかみたいなチャレンジ企画である。

 

前回、地学基礎を対象科目に選んだ。それでは、具体的にどういう方法で7回読みを実践するか。

 

もはや密かに「師匠」と呼ばせてもらいたい山口真由氏の解説では、7回読みのテキストを選定する基準は「網羅性の高さ」である。おそらく法学の各科目の勉強に使われる「基本書」(各種資格試験受験経験者ならば、どういうものを指しているかすぐ分かるはず)をイメージしているのだと思われる。

大学入試の科目ならば、ここは問題なく検定済高校教科書を選べばよいだろう。

 

科目によっては、教科書の採択率(シェア)を気にする必要が出てくる場合があるが、高校教科書として検定を通っているのならば、基本的には何でもよいだろう。

「世界史B」日本史Bの例を挙げると、皆さんおなじみの青と赤の教科書の採択率が6割以上だと各所で報告されているから、自学自習にも青赤教科書を使うのが、無難と言えば無難である。旧センター試験時代、日本史B「赤い教科書」に掲載されていない人名が出題されたことはあるが、他社の教科書には載っており、メジャーなはずの「赤い教科書」の利用者に珍しく不利であった。

 

が、理科や公民などの場合は、割にシェアが分散する傾向が見られるようである。巷では一般書籍として「S研の物理」などの、社会人向けの学び直しテキスト(高校生用の再編集版)が入手できるが、ここはちゃんと検定済教科書を入手することにする。

 

さて、ネットで採択率のデータを調べてみよう。大学受験では私立高校優位とはいえ、人口が多い東京都の教育委員会発表による、令和4年度の都立高校等の教科書採択結果を見てみる。

それによると、地学基礎を開講した学校数(課程数)は13。うち4校(課程)で啓林館の『高等学校 地学基礎』(地基703)が採択されている。4校とはいえ、シェア30.8%という計算結果となる。

地学基礎の教科書は5種類あり、同点で2番手の採択率を占めるのは、東京書籍(地基701)数研出版(地基704)の各教科書で、各3校(課程)の採択、シェアは各23.1%である。

以下、実教出版(地基702)2校(15.4%)、第一学習社(地基705)1校(7.7%)と続く。すごく少ない母数の中での戦いですね。

余裕があれば教科書の比較も行いたいのだが、けっきょく、使うのはどの教科書でもいいということであろう。

今回は、まずは7回読みの効果を測ることが先決だから、まず啓林館の教科書を入手しよう。

 

教科書は国の政策によって学校の生徒に無償(義務教育)ないしは安価で頒布されるものであるから、毎年の生徒数をもとに印刷数が調整され、新学期に(この「新学期」がいつまでなのか、というのも疑問ではあるが)一般人に販売することは、基本的に想定していない。一般人、特にQ氏みたいなオッサンが教科書を入手するには、コツが要る。

 

子供の使ったものをもらうとか、子供の先輩から譲ってもらうとかが可能ならば、そうする。が、そういうツテがなければ、「なくした」「破損した」と保護者を装い(別に装う必要もないのだが)教科書の取扱書店に行き、提示されたリストから注文する。購入すること自体は、あんがい簡単である。

が、この場合、タテマエ上は「本当になくした・破れたから子供の代わりに買いに来た」わけだから、書店員さんとも、そういうやり取りをもっともらしく演じなければならない。パチンコ屋の景品交換所みたいな白々しさが漂う。

また、教科書のリストは学校別になっているので、あらかじめ「どの高校で使われている教科書を入手したいのか」を明確にしておく必要がある。地学基礎などは開講されていない学校がほとんどだから、地学基礎の教科書を書店で「怪しまれずに」購入する方法は、ないと言っていいのかもしれない。書店員さんに「一般販売は基本的に控えておりますので…」と言われる「バリア」を体験せずに済むようにするには、あらかじめ、近隣で地学基礎を開講している高校の情報をつかむ必要も出てくるかもしれない。

 

書店で教科書を入手するのは、このように、心理的に非常にめんどうくさい。だから、現代は無理せずネットで購入するのが得策だ。ただ、ネットでの販売価格は軒並み、それなりに高い。書店で「なくした」「破れた」と言って買うと、生徒への頒布価格で入手できるのだから、価格面では書店で購入したい。

S研出版の、学び直し用の再編集版教科書を買ってもよいが、ここは本物の教科書を入手しよう。

 

今回は多少高くてもいいから、amazonで買う。令和5年度用が出ているので、すかさず注文。配送料無料で1,549円である。

ポチッとな(←これも古いな。分かるかな?)。あっけなく注文完了である。

 

さあ、もう資本を投下してしまった。後戻りはできない。Q氏の7回読みチャレンジがはじまる。