「教授」こと作曲家の坂本龍一氏死去。わたくしQ氏もYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)ド真ん中世代だが、高橋幸宏氏の訃報に続き、早くもYMOは3分の1になってしまった。ビートルズでさえ半分残っているのに。
一方、巷は気がつくと桜、桜の季節。大学合格者の皆さんは入学式などの日程が目白押しだろう。来年の合格、もしくはリベンジを狙う受験生諸君は、桜の花とともに新学年のスタートを切っていることだろう。がんばろう。
Q氏もかなり長い間気づかなかった事実に「桜の花と菜の花は咲く時期が完全に同じである」というものがある。
桜の花を見るのもよいが、Q氏は日本各地の堤防などに群れをなして咲いている黄色い菜の花を見るのが好きだ。
桜はあでやかな美人のようで、誰からも注目される。一方、菜の花は桜ほどの美を感じさせはしないが、明るく、心を浮き立たせてくれる。そして、桜にはない親しみを感じさせ、どこかしら可憐である。
皆が桜にばかり注目し、桜の下でお花見気分に酔っているときに、すくすくと育って堤防でのびやかに花を咲かす菜の花の方が、Q氏の心には合う。桜が嫌いなわけではないが、堤防に咲き誇る菜の花を見ていると、菜の花に日本を象徴させても、別にいいのではないか…と考えたりする。
さて、7回読み勉強法である。前回は教科書を読み通すのはツラい、と愚痴を述べたが、医学部にとどまらぬ受験生諸君の参考にしてもらうためだ。老眼のQ氏もがむばるぞ。
啓林館『高等学校 地学基礎』(地基703)、予想外に早く入手できたので、いきなり第1回目を読み始める。7回読みの提唱者である山口真由氏(山口「師匠」は、入門してもいないのに図々しいから、以後「山口名人」にしよう)によれば、1~3回目は「サーチライト読み」とし、本文をしっかり読み込まなくとも、見出し等をザッと読んで内容を把握すればよいという。
Q氏も完全なヒマ人ではなく、むしろ多忙な部類に入ると思うので、地学基礎の勉強時間をとること自体がけっこうキツいのだが、7回読みの検証実験を実施すると皆さんに約束した以上、やる。武士じゃないけど二言はなし。
さて、まず「サーチライト読み」1回目に着手する。
啓林館『地学基礎』の内容と構成は次の通りである。
第1部 固体地球とその活動 69ページ
第2部 大気と海洋 50ページ
第3部 移り変わる地球 70ページ
第4部 自然との共生 48ページ
計 237ページ
第1部には図版を掲載した裏表紙や目次、第4部には巻末の索引や奥付、裏表紙のページ数を含んでいる。
表紙からして、非常にカラフルで読みやすい教科書である。ページをパラパラめくってみても、図版が多く見やすい。見て楽しい教科書である。Q氏の高校時代は教科書は黒の1色刷りが多く、これほど読みやすくなかったな。
さて、サーチライト読みなので、1回目はただ見出しを追い、本文はろくに読まない。読む時間をひねり出すのが難しいので、Q氏は昼食にラーメン屋さんに行った際、地学基礎の教科書を持参して、つけ麺と半チャーハン・餃子セットを食べながら開いた。週1回、このラーメン屋さんのつけ麺セットを、たらふく食べることにしているのである。
つけ麺をすすりながら、見出しを見ては、本文にササッと目を通す。でも本文は読んでいない。が、ただ目をさらすだけなのも無駄なような気がするので、本文中の太字となっている用語だけ、サッと視線を走らせて眺めることとした。
第1部は、プレートとか地震とか火山活動とかである。中学理科で言うと1年生の配当分野である。
つけ麺の汁が飛ばないように気をつけつつ、教科書をパラパラとめくる。見出しと太字の語句にサッと目を走らせるだけでなく、図版も眺める。きれいな印刷だから、図版を見るのは何となく楽しい。
地学というのはスケールが大きい分野だな…いきなり地球だもんな…などという、実にのんきな感想である。
内容は、よく分からない。でも、中学理科の延長線上みたいな内容だから、まったく知らない内容ではない。だが、けっこう細かいね。細かそうだけれど、分からない内容ではないと思う。たぶん。
最後の火山活動のところで、出た、出ました、鉱物。ここは丸暗記しないとダメそうな感じだ。中学理科で、マグマを構成する鉱物をどうしてここまで機械的に覚えなければならないのか…と疑問を持ったが、マグマを構成する基本的な鉱物がマグマの性質を決定し、噴火の様式を規定するから、確かに大事なんだね。
そんな感想が湧いてくるくらいの内容は、頭に入ってくる。
地震のところも中学理科よりは細かいが、中学理科の知識はそのまま使えるし、思ったより取っつきやすそうな気がする。
何よりも、理科の他分野に比べて、扱う現象が壮大だ。これは、面白いと感じる人は面白がるのではないか。石は生きていないからつまらない、などとQ氏は書いたが、生物とはまた異なった躍動感があって、地球規模のマクロな自然現象というのも、けっこう面白いなと思った。
「面白いなと思った」とか、久しぶりに書いたよ、こういう小学生の感想みたいな文。
でも、1読目の感想は、小学生レベルを出ない。何のコメントもできない。ああそうですかという感じ。
つけ麺をゆっくり食べ終わったら、第1部69ページも読み終わっていた。所要時間36分59秒。これはストップウォッチで計った数値である。毎回計測しようと思う。
「サーチライト読み」ならば、意外にサクサク速読できる。1分間に2ページ弱という計算である。内容は特に頭に入らないが、何を書いてあるのかは大まかにつかめる。
この日は別件で多忙になってしまったため、第1部のみで終わり。
特に感想も湧かない、淡々とした7回読みのすべり出しだが、意外に早く読めるのは発見だった。
この調子で、日記みたいにしてつづく。