「7回読み勉強法」レポート、まだまだやるよ。
amazonで頼んだ啓林館『高等学校 地学基礎』(地基703)、3/31にさっそく宅配便で届いた!
さあ、いよいよ行くぜ。
もはやわたくしQ氏の「心の師匠」である山口真由氏によれば、1回目から3回目までの読み方は「サーチライト読み」と言って、見出しを読みながらの流し読みでよい、という。ここでの読み方は、あくまでも本の概要をつかむことに主眼があり、内容の詳細にまで立ち入って理解する必要はない、とのことである。
ここで不肖Q氏の過去の学習経験を挟むのをご勘弁願いたい。
以前のブログエントリーで、Q氏が指導のための日本史Bの習得にかなり苦労したエピソードを披露したが、その際にとった方法がやはり「教科書の複数回読み」であった。
実際には「シャア専用(赤い)教科書」を3回読み、1回目からベタな読み方で読み込んだ。
1回目は太字の重要用語にオレンジの蛍光マーカーを引きながら、わけが分からないなりにとにかく読みきる。
2回目は、太字以外の人名だけを緑の蛍光マーカーでマークしながら、やはり1行ずつ内容を追ってベタに読む。
3回目は、1・2回目でマークしていない歴史用語を青の蛍光マーカーでマークしながら、やはりベタに読み込む。
この「3回読み」で、ようやく内容が「何となく」頭に入るのである。あらすじが分かる、と言ってもいいだろう。
1回目の読みでは、まだまったく内容は分からない。ただ字面を追うだけである。
2回目でも、依然よく分からない。そう言えばこの話、1回目の読みで出てきたな、という程度である。教科書のページの挿絵などが「あの絵はどこの位置にあった」などという形で、だんだん印象に残るようになるが、本文の内容はぜんぜん定着しない。
3回目で、ようやくおぼろげにストーリーが分かる「ような気がする」程度である。詳細は、まだ全然分からない。
教科書を読むのは、あまりにもキツい。さらに、蛍光マーカーでラインを引くなどという作業を加えれば、それだけで膨大な時間を食う。Q氏は失敗したな…と思った。
が、蛍光マーカーは引いた方が、用語が目に飛び込んでくるように分かる。引かないより引いた方がいいかな…と思い、蛍光マーカーを用いる方針はとりあえず貫いた。
Q氏の日本史修行の場合、旅先にまで教科書を持参してビジネスホテルで唸りながら読むなど、涙ぐましい努力を重ね、何とか3回、ベタに読みきった。
そして「3回読み」を終えたところで教科書を読むのはやめ、あとはひたすら参考書の多読に入った。
教科書で得たストーリーの骨子をもとに、教科書の内容をより詳細に解説した、日本史Bの難関大受験者なら持っていることが多い『詳説 日本史研究』(山川出版社)を、まず1読。骨組み程度しか分かっていないストーリーに、詳細な肉付けを施した。
さらに、大学教養課程向けの通史の教科書や、一般向けの通史の叢書を、1冊終えたらまた1冊と、アタマから読んでいった。同じ日本史の流れを、異なる観点から描いた「通史」をとにかく3回「流す」ことを目標に、大部の叢書類などをウンウン言いながら読み通した。各社から出版されている、おのおの十数巻に及ぶような通史の叢書は、詳細なエピソードなども書かれているため、教科書よりもよほど分かりやすかった。が、分量がすごすぎ、仕事や家事を抱えて多忙な中では、ともすれば挫折しそうになる。
しかし、教科書を3回読んでストーリーを身体に入れた後の、この「通史三読」(とQ氏は呼んでいる)によって、骨組みだけだったストーリーが豊かに肉付けされ、詳細部分までリアルに分かるようになった。あとは古代史なら古代史、明治維新なら明治維新などと、個別分野について書かれた単著を必要に応じて読んでいき、さらにディテールを埋めていった。
この方法で、日本史Bについては教えるのにまず問題のないレベルに到達した自覚を持てたが、以前のエントリーでも述べた通り、ここまでで既に膨大な時間がかかったのである。
さらに、この体験を通じてQ氏がハッキリ得た結論は、
「教科書はやはり読んだ方がいいが、教科書を読み通すのは苦痛以外の何物でもない」
であった。
山口師匠の「7回読み」に対する恐怖感も、そこに由来する。網羅性の高い教科書というのは、とにかく「詰まらない」「読みにくい」「分からない」の、3拍子揃った最悪の書物なのである。日本史Bのシャア専用教科書も、1回通読することすらせずに大学受験に突入する文系受験生は多いことと思うが、つまらない割に重要なことが書いてある。
読まないより読んだ方が明らかによい。が、読み通すのはとてつもなくしんどい。
教科書というものはそういうものなので、悩ましいのである。
さて、せっかく届いた地学基礎の教科書、こいつはQ氏が日本史Bでやったように最初から「ベタ読み」はせず、あくまでも山口師匠の「サーチライト読み」のやり方に従おう。いよいよ手に取って、読み始める。
用意、スタート!