さて、7回読みのうち、早くも2回目に突入である。地学基礎の教科書の場合、「サーチライト読み」1回を終えるのに、所要時間は約2時間だと分かった。受験生諸君の場合、勉強に充てる日程のうちの1日で、1~2回読める計算になりそうだ。医学部受験生で地学基礎を選択する人は、いないだろうけどね。
わたくしQ氏は、多忙な日常を避けて勉強に集中するために漫画喫茶に籠もったが、サーチライト読み1回をこなしても、まだ制限時間が残っていそうだから、そのままその場でフリードリンクを飲みまくりながら、2回目を読むことにした。「綾鷹」とかをガブ飲みし、緑茶カテキンを摂取。
…さて、さっそく始めた2回目のサーチライト読みだが、自然と、1回目より本文を細かく読んでいる。教科書のページを「絵柄としては」1回眺めているわけだから、いくら何でも、全くおんなじことを繰り返すのは芸がないし、自然と細かく「読みたくなる」。
だから、太字のキーワードをただ目でとらえるだけでなく、その間の本文も目で追っている。
この段階でQ氏が使っている読み方は、以前のエントリーで紹介した、問題文を「速く読む方法」のうち、段落全体をナナメに舐めるようにして読み流す「ナナメ読み」である。本文1段落に1~2個は太字のキーワードがあるので、そのキーワードを手がかりにして、キーワードの間の文を、2行いっぺんくらいに、ほうきで掃くようにサーッと捉えていくのである。
今は別にシッカリ読まなくてもいいのだ…という気楽さがあるから、ナナメ読みで目に入った内容だけランダムに捉えていけばいいや…という、リラックスした感覚で読める。
物事というのは大抵そうなのだけれども、緊張を解いて、あまり大げさに構えずにやっていると、思った以上に内容が頭に入ることがある。覚えようと思うと覚えられないが、覚えようと思わないと覚える…という経験は、諸君にもあるのではないか。
この「サーチライト読み」2回目は、まだまだそんなに真剣に読まなくていいんだから…と肩の力を抜いているうちに、いろいろな発見が得られるような面白さがある。
ザッと内容をつかむと言っても、3回も「サーチライト読み」をやっていると、否応なしに中身を少し「食べて」しまうもののようだ。
美味しそうなお菓子を、まだ眺めるだけ、食べない、まだ食べない…などと言っているくせに、気がつくともう唇にクリームがついている…という感じ。
この「フライングで内容が少し頭に入る」という点も、山口名人の7回読みの、計算された効果のひとつだろうか。
2回目には「ここは難しそうだな。本格的に読む際に注意が必要だな」などということを感じる余裕が出てくる。
特に理科の教科書によくあることだが、ものすごく大切なことが図版で説明されている。図版を穴のあくほど眺めて、そこで説明されていることが一体なんなのかということを、理解できるまでじっくり考えないと「チートモ分からん」ということになりかねない。
地学基礎の各分野のうち、意外に手ごわいのが気象分野だと感じた。低緯度地帯の「ハドレー循環」は流れをたどれば分かるが、偏西風の生まれる仕組みが、2回目なのにイマイチ分からない。「気圧傾度力」と「転向力」が釣り合って「地衡風」が等圧線に平行に吹く…とか複数回説明されているが、なんで転向力が南向きに働くのか。地球が東方向に自転しているのだから、東向きではないのか。説明されていないのでまったくワカランチン。こういうところを、4回目からの「平読み」で1個1個潰していかないと駄目なんだろう。
サーチライト読みは、そういう「ここが分からない」を探すための読みでもあるのだろう。
漫画喫茶の制限時間内に、何とか2回目を読み終わった。タイムは以下の通り。
第1部 固体地球とその活動 69ページ
⇒ 所要時間36分21秒 1.90ページ/分
第2部 大気と海洋 50ページ
⇒ 所要時間27分12秒 1.84ページ/分
第3部 移り変わる地球 70ページ
⇒ 所要時間34分24秒 2.03ページ/分
第4部 自然との共生 48ページ
⇒ 所要時間14分34秒 3.30ページ/分
第4部は第3部までの知識に+αという感じの内容だから、速く読めるのだろう。全体的に、Q氏の場合は「サーチライト読み」では1分間に2ページというペースのようだ。
2回目を終わって、まだ全然分かった感じはしないが、やはり全体として何をやればいいのか、心の準備ができた感覚はしっかりある。Q氏の日本史修行の時には得られなかった感覚だ。やはり、山口名人が「最初に『サーチライト読み』を入れろ」と言うのは正しいのではないか、とQ氏は感じている。
7回読みレポート、まだまだ続く。