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勉強法武者修行11──7回読み勉強法(11):3回目のタイムと4回目開始

さて、7回読み勉強法レポートの続きである。サーチライト読み3回目までは、かなりスムーズに完了した。ここで3回目のタイムをまとめておこう。

 

第1部 固体地球とその活動 69ページ

 ⇒ 所要時間39分43秒 1.74ページ/分

第2部 大気と海洋 50ページ

 ⇒ 所要時間30分02秒 1.66ページ/分

第3部 移り変わる地球 70ページ

 ⇒ 所要時間48分12秒 1.45ページ/分

第4部 自然との共生 48ページ

 ⇒ 所要時間18分42秒 2.57ページ/分

  全体 237ページ

  ⇒ 所要時間136分39秒 1.73ページ/分

 

第3部で読んでいる途中に眠くなってしまい、かなりスピードが落ちた。こういうことも考慮に入れなければならない。また、全体に2回目よりもタイムが延びているのは、眠いこと以外に、2回目よりも少し細かい部分まで読んでいるからではないかと思われる。

結局、わたくしQ氏の読むスピードによるが、サーチライト読みはだいたい1分で1ページ半~2ページという速度だと言えそうである。文字を読み慣れていなければ、もう少しスピードは落ちるだろうし、Q氏よりもずっと速く読める人もいるだろう。

 

さて、平読み1回目に入る。通算では4回目だ。

4回目は風呂場で開始。第1部「固体地球とその活動」第1章「地球」を淡々と読む。

今度は、丹念に隅から隅まで文字を追い、各所にある「問題」もちゃんと解く。問題を解き、分かりにくいところをメモするために、A5判のノートを1冊用意した。

 

まずは地球が遠心力で上下につぶれ、極半径より赤道半径の方が大きく、多少楕円体になっているとか、地殻・マントル・核の内部構造とかの話である。

地殻とマントル・核は密度の違う異なる物質でできており、地殻とマントルとを構成する岩石は違う…うんぬん。大陸地殻と海洋地殻も、構成する岩石がそれぞれ異なる。花こう岩・斑れい岩・かんらん岩などの岩石名称は、いよいよ丸暗記しないといけないことが明らかとなった。

花こう岩・斑れい岩・かんらん岩…中学理科でも出てきて、まじめな中学生は暗記するものの、ほとんどの中学生は覚えずにしのぐ岩石名だが、Q氏もいよいよ逃げられない。写真を見ながら、じっくり覚えるしかない。

 

…と、あくまでも地学基礎の細かい内容はともかくとして、「何を覚えなければいけないか」「どこはざっと内容が分かればよいか」が、非常にくっきり分かる。3回もサーチライト読みする効能は、この「いざ詳細に読み始める段階で、内容を受け取るための心の準備がすでにできている」ことだと実感する。

そして、この効能は非常に大きい。

 

Q氏が日本史Bを理解しようと教科書を読み始めた際は、いきなり「平読み」から入ったため、いちいち内容を「読み解き」ながら進んでいかざるを得なかった。が、先にサーチライト読みを入れると、ある程度内容がつかめてからじっくり読み始めることになるから、平読みに入った時の脳の負担がぐっと小さくなる。用語を覚えることにも落ち着いて没頭できるし、章末問題をやってみても「フツーに」できた。答えはないが、計算方法が分かるので、たぶん合っている。

なるほど…サーチライト読みの後に実施する平読みは、これほど理解しやすくなるのか…やはり、7回読みの方法論は間違っていない気がする。何度も繰り返すが、Q氏は山口名人の回し者ではない。

 

ちなみに、平読みは音読も脳内音読もしないものの、国語の文章を比較的注意深く読む時の速度でこなしている。

第1部「固体地球とその活動」第1章「地球」を読み終わり、深夜となったため打ち切って眠る。翌日、第2章「活動する地球」を、1週間ぶりにラーメン屋さんでつけ麺セットを食べながら読む。何だか既視(デジャ・ヴュ)感がある。

 

さすがに、平読みはサーチライト読みに比べて速度が落ちる。タイムは以下の通り。

 

第1部 固体地球とその活動

 第1章 地球 25ページ(見返し・目次含む)

 ⇒ 所要時間59分15秒 0.42ページ/分

 第2章 活動する地球

  第1節 プレートテクトニクスと地球の活動 15ページ

 ⇒ 所要時間57分16秒 0.26ページ/分

 

3~4分で1ページというペースだ。1ページ4分として計算すると、237ページは948分、すなわち16時間弱を要する計算になる。

他科目の勉強もあるから、1日に1時間半を平読みに充てるとして、約2週間を要することになる。

平読み2回(通算4~5回目)だけで、順調に行っても1ヶ月かかる計算になる。

 

これが、教科書のページ数が2倍以上(令和5年度からの新課程では、もっと)にのぼる化学・物理・生物では、平読み2回だけで2ヶ月を見越すことになる。1ヶ月で1回読む計算になるだろう。さもなければ、1日に読む時間をもっと取るかである。

さらに2回「要約読み」をやって、ようやく7回読みの完成だから、化学・物理・生物でさらに2ヶ月を費やすペースになるだろう。

結局、化学・物理・生物の場合、7回読みに5ヶ月程度が必要になる計算だ。

 

受験生諸君、これは、やるんだったら早めに始めた方がいいだろう。Q氏のレポートは引き続きお送りするが、今のところ、たぶん「やって無駄にはならない勉強法」ではないかと思える。確かに、4回目で既にけっこう頭に入る。

どのみち、現役生は部活などが忙しい時期があるから、ただひたすら化学・物理・生物の教科書を読み通し、インターハイが終わったら少しペースを上げて秋口までに7回読みを完了させ、あとはひたすら問題演習に費やす。そんなモデルプランを立ててみるのはアリかもしれない。

 

Q氏は引き続き、マイペースで地学基礎の7回読み検証記事をお送りするつもりである。