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勉強法武者修行29──7回読み勉強法(29):データの総括

さァ~って、来週のサザエさ…ではなくて(←さらにしつこい)、7回読み勉強法レポート、とりあえず全行程終わった。

世間はGWに突入だが、来年の受験生の皆さんはGWを楽しんでいるだろうか。それともさっそくGW返上で勉強?

さて、わたくしQ氏がほぼひと月にわたって体当たり挑戦してきた7回読み勉強法について、ここでデータのまとめをしておこう。

 

●確認テストの得点●

(すべて50点満点。カッコ内は平均点)

 

2015  31(26.99)

2016  43(33.90)  

2017  50(32.50)

2018  46(34.13)  

2019  38(29.62)

2020  37(27.03)  

2021  39(33.52)

2022  47(35.47)  

2023  38(35.03)

 

平均点  41点  

 

平均点でいうとかろうじて8割超だから、国公立大学医学部狙いも不可能ではないラインにつけられる。が、実際の得点は8割を若干割り込んでいる年度が多い。

ただ、試験慣れしていなかったことも影響していると思われる2015年度以外に、7割を割り込んでいる年はない。医学部にこだわらない場合、国公立大学合格は夢ではなくなるだろう。

過去問に画像が掲載されておらず、解答不能な年も何年かあったから、画像さえ載っていれば得点も若干伸び、平均点も上がった可能性はある。

 

詳細はのちに述べるが、この結果から見えてきた共通テストの特性からも考えると、共通テストの正答率8割は実現可能な目標である。その目標達成のために、教科書7回読みはひとつの勉強法として有効だと、Q氏は結論する。

 

さて、次は7回読みをやりとげるまでのタイムの記録である。

読み1回ごとに、全233ページの読破スピードを算出し、比較する。

 

第1回(サーチライト読み①):

 所要時間1時間45分52秒 2.20ページ/分

第2回(サーチライト読み②):

 所要時間1時間42分31秒 2.27ページ/分

第3回(サーチライト読み③):

 所要時間2時間16分39秒 1.71ページ/分

第4回(平読み①):

 所要時間11時間16分16秒 0.34ページ/分

第5回(平読み②):

 所要時間6時間38分10秒 0.59ページ/分

第6回(要約読み①):

 所要時間5時間36分41秒 0.69ページ/分

第7回(要約読み②):

 所要時間5時間57分15秒 0.65ページ/分

 

全所要時間(第1回~第7回):35時間13分24秒

 

「サーチライト読み」は1分で2ページ

「平読み」は2~3分で1ページ

「要約読み」は2分弱で1ページ

 

というくらいの速度になる。

1日1時間半を7回読みに費やすとすれば、23日半かかるという計算になる。Q氏が1か月以内に確認テストまで終えられたのは、1回の読みを1日で終わらせるなど、1日1時間半以上を費やした日がちょこちょこあったからである。

 

無理のない計画としては、やはり250ページ内外の理科基礎科目・倫理・政経の教科書で1ヶ月、その2倍以上の分量がある理科教科書で2ヶ月+αを見ておくことだろう。いちばん時間がかかるのは4回目で、5回目以降はややスピードが上がるため、以前のエントリーで見積もった期間よりは、短くて済みそうである。

 

Q氏はまた、7回読みとは別に、今回地学基礎に挑戦することによって、共通テストの問題の作り方に関して大いに学んだ。

 

今までは国語・英語・地歴公民・数学しか問題を見たことがなかったわけだが、ここで理科基礎科目の問題をつぶさに検討する機会を得て、全教科全科目、ほぼ同じような作問方針が貫かれていることが分かった。

受験対策を指導している講師でも、自分の担当以外の科目のことはなかなか分からないものだが、Q氏はむろん広く浅くとはいえ、今回のチャレンジによってかなりの科目を横断的に見ることができたことになり、たいへん勉強になった。

 

そこで改めて確信したことは、

 

①共通テストで、すべての科目について90%以上の得点を常に挙げることは、至難の業であり、ほぼ不可能に近い。

 

なぜなら、どの科目にも「えげつない」満点阻止問題が仕込まれており、カンでもいいからその問題に正解しない限り、なかなか安定して90%は超えないからである。

満点を阻止するためなら、センターさんにはかなり人でなしな反則技まで使う準備がある。

常に90%超を取れる人が出る科目は、英語筆記だけではないかと思われる。英語筆記は、英語が得意な人にとっては、平易な日本語で作られた問題みたいなものだからである。

 

②しかし、80%強の得点は取れる。

 

満点阻止問題に加え、出してほしくない分野をつつくような難問が必ず数問、出題されるから、それらを差し引くとだいたい80%強の得点率に落ち着く。

得点率80%前後までの問題は、基礎力がしっかりついていれば取れるように、引っかけも抑え気味に作ってあるから、受験生が目標とするのは「すべての科目でまんべんなく基礎力を固め、安定して80%前後の得点を叩き出せるようにする」ことである。

 

Q氏が今まで検討してきた文系科目の問題も、完全にこの通りである。だからこそ、受験生諸君には「共通テスト80%水準を目指す勉強を」と強く推奨したい。

 

そのために、今回Q氏が身体を張って試した山口真由名人「7回読み勉強法」は、有効な方法のひとつとして認定できると思う。

しかし、この方法にも短所はあるだろう。また、勉強法がこれ1つに限られたわけでは、もちろんない。

 

4月最終エントリーの次回、改めて「勉強法」について考えてみたい。