さて、7回読み勉強法レポートの続きといこう。
昨日は何も進まなかったが、本日も別件で何かと時間を取られ、わたくしQ氏も地学基礎の教科書に向かえなかった。とはいえ、食事の時に強引に地学基礎の教科書を持ち込み、何とか続きを読めた。
今日のタイムは以下である。
第2部 大気と海洋
第3章 日本の天気 計11ページ
第1節 日本の位置
第2節 冬から春の天気
第3節 夏から秋の天気
⇒ 所要時間37分47秒 0.29ページ/分
章末問題をやる時間を含めて、3分強で1ページという時間はあまり変わらない。こんなもんなのだろう。
これで第2部が終わった。あとは第3部の天文と地球の歴史に集中するのみである。
第2部の大気・海洋は一番難しかった。地学分野の最難関はこの「大気」の単元ではないだろうか。
教科書をただ詳しく読んでいても、この分野には分からないことがいろいろある。
例えば日本付近の天気を解説した第3章は、おおむね分かりやすい記述でまとめられている。だが、これは中学理科でも問題になるのだけれど、各季節の気圧配置に謎がある。
①冬の天気で、アリューシャン列島周辺に低気圧(「アリューシャン低気圧」=西高東低の気圧配置の原因)ができるのはなぜか。
②梅雨の原因となるオホーツク海高気圧ができるのはなぜか
これは中学理科教科書でも詳しく説明されていない。それぞれの成因が分からないままだと、丸暗記になってしまうから、本当はよろしくないのである。
機械的な暗記では、頭で納得しても心が説得されないため、どうしても覚えられない。忘れるのも早い。各事項はできる限り因果関係をたどり、筋道立てて理解し、心から納得できると、記憶の定着度がよいように思われる。
そこで、①②の疑問をそのままにせず、「調べ学習」をすることにした。もちろん、横着してWikipediaを頼る。
①の場合は大陸のシベリア高気圧の発達により、②の場合は4月頃にユーラシア大陸が温まり、オホーツク海が冷えることにより、いずれも気圧の相対的な高低変化によってできるようだ。
その他の要因もあるようだが、
①大陸に高気圧ができるから隣の気圧が相対的に下がり、低気圧となる
②ユーラシア大陸が温まるからオホーツク海が冷え、冷えた場所は高気圧になる
と理解しておけばよさそうだ。
4回目(平読み1回目)は初めて詳細に読むため、疑問に感じた箇所はいちいち調べ、よく分からぬまま読み飛ばすようなことがないよう、しっかり読むようにQ氏は心がけている。章末問題もやらなければならないから、実質的にいちばん時間が掛かるのは4回目になりそうである。5回目以降、これだけの時間はかけずに済むだろう。
読むと言っても、ただ文字を目で追うことだけが目的ではない。ちゃんと理解しないといけないのはもちろんである。
が、漫然と読んで、「自分はどこが分かり、どこが分からなかったのか」がとうとう判然としないまま、ただノルマとした回数だけこなそうとする受験生が、かなりの数いるはずである。
同じ7回読みを実践しても、恐らくあまり成果を挙げられない人というのが、いそうなのである。各段階で「読めた」状態というのを適切に想定できず、「分からないことは調べる」というような能動的な動きを起こせない人は、たぶん何回読んでも、内容の定着度が低いのではないかという気もする。
ただ、反復学習は、それをこなした人の能力差にかかわらず、とにかく最低ラインの実力だけをつけてくれる方法となるのではないかという気もする。果たして、機械的にでも7回読めば、多くの人が試験で一定以上の成果を収められるのか。
これを実地に検証するには、被験者を募って大規模に実験を行うしかないだろう。
今のところそういう研究が出てきていないのならば、7回読みを採用する受験生諸君が、この方法の長所・短所を自分でよく考え、やろうと思うならば、なるべく早めに導入する…というのが妥当な気がする。
Q氏の実体験では、4回目の読みがいちばん大変で、乗り切るために精神的エネルギーを費やすような気がする。
第3部「移り変わる地球」さえ終わればこちらのものだから、急いで第3部を駆け抜けるとしよう。