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勉強法武者修行21──7回読み勉強法(21):6回目に突入

さーて、7回読み勉強法レポートもついに6回目に入ったぞ。

この間、わたくしQ氏もヒマを見つけては地学基礎の教科書につぎ込んできたので、何だかアタマが非常に疲れており、アクビが絶えない。睡眠時間が不足気味である。

現役高3生諸君はまだ新学期に入ったばかりで実感がないかもしれないが、受験生にいくら睡眠不足に気をつけろと言っても、勉強のノルマがある以上、どうしても寝不足で、始終アクビをかみ殺すような状態に追い込まれがちだろう。

どこかで寝溜めをするとか、もう今日はここまで、と勇気をもって切り上げるとか、睡眠不足を感じたらなるべく睡眠主体のサイクルに戻して、一定期間それを続けた方がよいのは間違いない。

あ~眠い。かく言いながらブログを書いている間に、寝落ちしてしまいそうなQ氏であった。

 

さて、6回目の読み方であるが、山口真由名人「要約読み」と形容されている。

某サイトで名人の解説を詳しく見たところ、こんなことが書いてあった。

 

〇5回目までで要旨をとらえ、内容が理解できていることを前提として、6回目では、要旨(論点)を説明する具体的な事例など、細部に目を向けていく。

〇キーワードの意味、キーワード同士の関係を把握しながら、頭の中に内容がしっかりコピーされているかを確認するイメージで読み進む。

 

このイメージでの読みを、名人は「内容を要約する作業」と位置づけておられる。

名人のこの説明に従うと、6回目はかなり能動的に、頭の中で教科書の内容を再構成するようにして、しっかりエネルギーを注ぎながら読まなければならないようだ。

決して、漫然と読み流してはいけない…と言われているような気がする。

もう、けっこう疲れているし、飽きているというのもホンネなのだが、仕方ない、名人のお言葉には従うこととしよう。

 

さて、実際に本文を読み進める。

「要約読み」を実践するために、小見出しのついたまとまりを読むごとに、口の中で小さな声で「まとめ」ることにした。かなりバ〇正直にやる。

例えば第1部「固体地球とその活動」第1章「地球」第2節「地球の内部構造」A「地殻とマントルの部分に、次のような記述がある。

 

 ●地殻●

 地殻は地球の最も外側を覆う岩石の層で,大陸地殻と海洋地殻に分けられる。大陸地殻の上部は主に花こう岩,下部は主に斑れい岩からできており,海洋地殻は主に玄武岩・斑れい岩からできている(図7)。大陸地殻の厚さは30~60km,海洋地殻の厚さは5~10km程度である。大陸地殻と海洋地殻は、形成過程や平均的な形成年代も異なる。一般に、地下の温度は深くなるほど次第に高くなっていく。大陸地殻中の温度増加の割合は,地下約30kmまでは平均して100mにつき2~3℃程度である。

 地殻とマントルの境界はモホロビチッチ不連続面(モホ面)という。モホ面は,地球内部を伝わる地震波速度が急に増加することから見いだされた。この地震波の変化の様子から,マントルを構成する岩石は地殻の岩石より密度が大きいと考えられている。

啓林館『高等学校 地学基礎』令和4年度用より)

 

教科書の記述というのは、無味乾燥な代わりに無駄がまったくないので、正直な話、これ以上要約するのは不可能である。1行たりとも不要な情報というのはない、と言ってよい。

が、そう言っていると「要点の要点」がいつまで経ってもつかめないので、強引に要約するのである。

上記箇所ならば、

 

〇地殻には大陸地殻と、それより薄い海洋地殻があり、それぞれ構成する岩石が異なっている(大陸地殻は上が花こう岩、下が斑れい岩で、海洋地殻は斑れい岩や玄武岩)。地殻とマントルとの境界面をモホロビチッチ不連続面(モホ面)と言い、マントルの方が地殻より岩石の密度が大きい。

 

ぐらいに口の中でまとめながら進んでいく。上の「まとめ」でわざわざ大陸地殻と海洋地殻を構成する岩石名を入れたのは、何回か読んで、この項目が問題として「よく出る」ことが分かっているからである。また「モホロビチッチ不連続面」の重要用語を「まとめ」に入れないわけにはいかないだろう。

 

これをやると、確かによく分かる気がする。今まであやふやだった知識が、自分の中にシッカリ根を下ろす感覚があるのである。

しかし同時に、「これをいちいちやっていると、いくら時間があっても足りないなあ…」というおそれが浮上する。まとめに時間がかかりすぎると、また4回目の「いつまで経っても終わらない」心の蟻地獄に陥りそうである。

 

が、その心配は杞憂だった。「まとめ」をやっても、読むスピードで割に「速読」を保つよう心がければ、時間そのものはそんなに余計に食わない。また、めんどくさければ「目で読みながら口でまとめる」というような方法を採ればじゅうぶんだし、まとめられないくらい凝縮した記述は、あえてまとめないというやり方でもよい、と気づいた。

込み入った記述で、一度まとめなければポイントが分からないようなところを重点的に、口の中でもごもごと「要するにどういう話なのか」を復唱していく。

 

この「まとめ力」というのは何をするにも必要だが、それができない人というのは非常に多い。「まとめ」ができるようになるには、一生のうち、どこかで「まとめ」の練習を重点的にやる必要がある。6回目の「要約読み」は、他教科他科目にも活かせる、受験生諸君の「まとめ力」向上に大いに役立つのではないかという期待を、Q氏は抱いた。

※ちなみにQ氏の「まとめ力向上」に大いに役立ったのは、小学校高学年の頃、未知との遭遇』『スター・ウォーズなどのSF映画ブームが巻き起こった際(歳がバレる)、クラスにいたSF好きのK君と2人で、お互い親にねだれず、すべてのSF映画を観られない不満足を補うために、交代で話題のSF映画を観に行き、後日、互いに上映プログラムを見せながらストーリーの説明をし合う…という方法を発明した時だった。

K君も話し上手だったが、Q氏もそんなK君を退屈させず、映画の面白みを伝えられるようにするために、ストーリーの要点を的確にまとめて話すことに全力を注いだ。この行事が、のちのち非常に役立ったと思っている。話し上手なK君のおかげで、Q氏はK君担当映画だった未知との遭遇をいまだにちゃんと観ていないにもかかわらず、完全に観た気になれている。

 

さて、そんな風にやっていると、そこまでスピードを落とさずに6回目を読み進められる。

これはもう、一気にやってしまうぞ…という決意のもと、Q氏は仕事を終えてから恒例の漫画喫茶に籠もった。

というところで次回。6回目を一気に終わらせよう。