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あとが肝心(1)──失敗こそわが友

共通テスト終了である。共通テスト受験生の皆さん、おつかれさまでした。浪人生は試験会場の雰囲気は知っているかもしれないが、だからと言って緊張せずにすむ人ばかりではないだろう。況(いは)ンヤ現役生ニ於(お)イテヲヤ。いきなり漢文調になるわたくしQ氏であります。

 

共通テストの問題分析・講評などは、今この場でやっても意味が薄いだろう。ここからしばらくは、共通テストを終えた受験生諸君の心理的ケアを兼ねて、「今後、気持ちをどういう風に持っていったらいいか」を、「大学受験指導(無駄に)ン十年」とかぶっこいている一介のオジサンの立場から、あくまでも一般論として語りたい。

共通テスト結果を受けて…という性質上、国公立志望者の話が多くなるかもしれないが、参考になる部分だけを参考にしてもらえれば幸いである。何回かに分けて、思いつくまま箇条書きで行く。

 

(1)共通テストは「失敗」が普通

大部分は当日の緊張によるものだろう、共通テストで、日露戦争日本海海戦のような「大成功」を収める人はほとんどいない。多くの受験生は「失敗」する。

 

Q氏は統計学のどシロウトであり、一般向けの統計の本に書いてあったのをおせんべいパリパリ食べながら読んだだけなので、うろ覚えで引用するしかないが、「まぐれ」と言えるような外れ値は、通常は期待値を下回る方向に出やすく、上回る方に出る確率は低いという(間違ってたらゴメンナサイ。でも、読んでいて実感と大いに一致し、ものすごく感心した覚えがあるから、そういう話は統計の教科書のどこかに書いてあると思う)。

要は「意外な失敗」はより高い頻度で起こるが、「意外な成功」はほとんど起きないということだ。この話は、長年共通テスト(+旧センター試験)とその受験生をウォッチしてきたQ氏の実感を裏付ける。

 

プロ野球の故・野村克也監督が引用して有名になった名言「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」も、「負けるときには、必ず理由があって負けているものだ」と解釈すると非常に説得力があるが、このことと上記の統計学の法則(?)は、必ずしも矛盾しないと思われる。

 

「1回ごとの勝負(試行)では、理由を指摘できるような必然的な負けによって期待値を下回る成果に終わるプレイヤーが大多数だが、ごくわずか、説明しがたい理由で期待値を上回る成果を挙げるプレイヤーが存在する

 

ということに過ぎないのだろう。これも完全に実感と一致し、世の中、ほんとにそうだよなあ…と思える。不都合な真実。単純な賭け事も、株取引も、所得分布とかもそうだよね。

「不思議の勝ち」の要因はやはり「運」だとしか言いようがない気がする。

結局、世の中はごくわずかなプレイヤーが「運」を味方につけて勝ち、その他大多数のプレイヤーは「実力」で勝負して負けるのである。冷たいようだが、世の真実を説明してくれていると言えそうな話だ。

 

共通テストを終えた諸君も、大多数が「失敗」にわなないているのではないだろうか。女子生徒さんには泣いている人も多いだろう。Q氏には目に見えるようでもある。もう、ヤル気失せた。氏にたい。ここまで支えてくれた家族に申し訳ない。穴があったら入りたい。猫になりたい。ハムスターになりたい、ウォンバットになりたい、ケンミジンコになりたい、シアノバクテリアになりたい…云々。

 

…ふふふ、甘いな。

 

と、あえて『ドラゴン桜』の桜木先生のように、Q氏は「上からド直球」で言わせてもらう。

甘いんですよ。そういう考え方自体が。まだまだ、ぜんぜん戦いは終わっていないのである。なぜそう言えるのか。次回につづく。